幹線扱いされず残念!「元気な地方交通線」10選 大都市の近郊で通勤・通学の利用者が多い

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2)田沢湖線(岩手県・秋田県)

岩手県の盛岡駅と秋田県の大曲駅を結ぶ田沢湖線は、いわゆる秋田新幹線「こまち」が1時間に1本は走るのに、地方交通線のままである。

もともとは地味なローカル線をつないで東北横断線の1つとしたのだが、東北新幹線盛岡開業で、秋田への近道として脚光を浴び、電化、その後ミニ新幹線のルートと躍進を続けた。「こまち」以外の普通列車は本数も少なく、赤渕―田沢湖間は1日4往復しか列車が走っていない。

しかし現在、どの幹線でも特急重視で、田沢湖線の一部区間以上に普通列車の本数が少ない区間はあるので、これだけで地方交通線にしておいてよい理由とはならないであろう。

新潟・名古屋の近郊路線

3)越後線の新潟―内野間(新潟県)

新潟市の近郊路線としての役割を果たす越後線。区間によって列車本数のバラつきはあるけれど、新潟―内野間は、昼間でも1時間に3本の設定がある。

新潟駅に乗り入れる白新線や、同駅に列車が直通する磐越西線がどちらも幹線であることを考えると、越後線だけ地方交通線扱いするのは気の毒にも思える。

4)武豊線(愛知県)

知多半島を走り、愛知県最古の路線という伝統ある武豊線は、近年まで冷遇されてきた名古屋圏の近郊路線だ。半田や武豊は名鉄河和線の利用者のほうが多く、非電化のディーゼル路線では勝ち目がなかった。

武豊線は名古屋への通勤・通学で利用する乗客が多い(筆者撮影)

遅まきながら、2015年に全線電化され、名古屋からの直通の区間快速電車も走るようになった。

昼間は30分ごと、ラッシュ時には1時間に3~4本の電車が運行され、輸送密度も幹線並みに高いので、地方交通線のままなのがかわいそうな気がする。

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