TikTokが「SNS拡散のハードル」を下げた理由 「○○メンバー、○○司会者」が自己増殖&進化
ハッシュタグ大喜利で拡散される「ミーム」
「#名画で学ぶ主婦業」のハッシュタグで、古今東西の名画の画像に、主婦あるあるのコメントをつけてツイートする。そのネタの数々は、宝島社が取りまとめて刊行するほどの質と量であった。
日々Twitterで繰り返されている、こうした大喜利のキーワードは「ミーム」と呼ばれるものだ。本稿で紹介する『ソーシャルメディアの生態系』は、ミームを「文化的遺伝子」と呼び、これこそがソーシャルネットワークを進化させるのだと説いている。
「#名画で学ぶ主婦業」のような見知らぬ者同士のネタ作り(いわば「ミーム」の共有と増殖)は、日本特有のものというわけではなく、世界的なものである。『ソーシャルメディアの生態系』に言わせればこうだ。
「典型的なミームは、冗談好きな誰かがどこかで何かの写真や画像に目をとめ、それにくっつけるウィットに富んだ文言を考え出したことから生まれる。
その作者が画像と文字のコンビネーションをソーシャルメディアのプラットフォームに置くことで、拡散が始まる。拡散がうまくいくと、それが単なる『共有』の域を超え、もともとのミームのコンセプトから離れた新しい言葉をインスパイアするようになる」
この一文と「#名画で学ぶ主婦業」は、ぴったりと重なり合う。
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