日産、株主総会後も「ルノー支配」は変わらない ゴーン氏を失ったことは大きな痛手だった
ルノーは2度、ミスを犯した
――カルロス・ゴーン前会長の逮捕後、アライアンスのパートナーであった日産とルノーの関係がこじれています。日産に経営統合を迫るルノーに対し、経営の独立性を強めようとする日産。いわば敵対的な買収をめぐる攻防に見えます。
経営不振に陥った1999年にルノーの資本を受け入れた時点で、日産は実質的に買収されていた。つまり、買収をめぐる攻防という意味ではすでに日産は負けている。それが経営の独立性を取り戻す千載一遇のチャンスを得た。なぜかというと、ルノーがこれまでに2度のミスを犯して隙を作ったからだ。
1つ目は、ルノーが日産への出資を43%という中途半端な出資比率にとどめていたこと。少なくとも50%超、本来は100%、完全子会社にすべきところだ。が、ルノーにはそれだけの資金力も覚悟もなかった。2つ目がゴーン前会長の不正問題だ。ゴーン前会長が健在だったならば、日産が独立を求めるチャンスはなかったはずだ。

















