「グミ」が仕事中の小腹満たしに選ばれるワケ 手も汚れにくいし、後ろめたさも少ない

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各社から出ている「グミの売れゆきベスト3」も紹介しよう。

(1)「果汁グミ」(明治/シェア15.2%)
(2)「ピュレグミ」(カンロ/同9.8%)
(3)「フェットチーネグミ」(ブルボン/同7.5%)
(※)2019年4月 インテージSRI:SUPER+CVS+DRUG/全国の調査データ

ちなみにカロリーは「果汁グミ」のぶどう(1袋51g)で167キロカロリー、同温州みかんで169キロカロリーとなっている。とくに高カロリーとはいえないが、前述の「やわらか黒おしゃぶり昆布」は28キロカロリーだった。

例えば、競合の「フェットチーネグミ」は、商品パッケージでも「アルデンテな“弾む”噛みごこち!」を打ち出す。実際に口にすると、かみがいがある食感だ。

一方、「果汁グミ」は触っただけでも違い、口にすると優しいかみ心地だ。

「柔らかすぎず、硬すぎず、多くの人に心地よい食感だと思います。当社の『コーラアップ』は硬め。パッケージにも『超弾力! ハードグミ』と記しています」(船山氏)

同社の消費者調査では「間食で求めること」は、「かみ応えが欲しい」という回答が目立った。かむことを重視する人も多いが、若者を中心に咀嚼力(そしゃくりょく)が弱まったと指摘される現代。適度なかみ心地は、各社も意識しているようだ。

「仕事中の小腹満たし」に潜む消費者心理

筆者がメーカーや消費者に取材した結果では、仕事中の小腹満たしのキーワードは、次の4つに集約されるように感じた。

(1)「パパッと簡単」
(2)「後ろめたさ」との向き合い方
(3)「手が汚れない」
(4)「1回当たりのコスパ(コストパフォーマンス)がいいか」

(1)の簡便性は、仕事中なので「飲料」も選ばれやすい。炭酸系の飲料を多く持つアサヒ飲料からは、こんな話も聞いた。

「学研グループさんが運営する、健康情報系の『フィッテ(FYTTE)』というウェブメディアがあります。この『プロが選ぶFYTTEダイエット&ヘルス大賞2017』の『小腹満たし部門』1位に、当社の『ウィルキンソン タンサン』が選ばれたこともあります」(同社マーケティング本部マーケティング一部・炭酸グループ副課長の本松達朗氏)

(2)は、仕事中という後ろめたさ。例えばかみ続けるガムは周囲の目が気になる。(3)は、パソコンやスマホを操作しながらの仕事が多い人は、手が汚れるとストレスだ。

(4)は、そのときの気分にもよるだろう。「エネルギーを補給したい」ときはゼリー飲料やエナジードリンクを飲む人もいる。個別包装の栄養機能食品を手にする人もいる。

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