「グミ」が仕事中の小腹満たしに選ばれるワケ 手も汚れにくいし、後ろめたさも少ない
「昔は子どものおやつだった『グミ』が、いまは大人がオンタイム(仕事中・就業時間)に食べるおやつにもなりました。顧客世代も広がっています」
明治のマーケティング本部で「グミ」を含めたお菓子を担当する、マーケッターの船山慶氏(カカオマーケティング部・カカオコンフェクショナリーグループ)はこう話す。
「顧客世代の広がり」とは、どういうことか。
「日本でグミが発売されたのは1980年で、当社の『コーラアップ』でした。そして『果汁グミ』発売が1988年。当時から若い女性に訴求していました。近年は健康意識の高まりや仕事中の忙しさも手伝い、市場が拡大したのです。現在、果汁グミの顧客層は女性が約7割、男性が約3割で、30代と40代が中心です」(船山氏)
発売当初の「コーラアップ」は、プラスチック容器に流し入れたグミをオブラートで包み、容器を押し出して食べるスタイルだった。当時の子どもが大人になり、一時発売を休止していた「コーラアップ」も、コーラの瓶のような現在の形で復活。「果汁グミ」発売当時の若い女性の年齢が上がったことで、現在の中高年が食べるようになっているのだ。
ただし、かつて社会問題となった「こんにゃくゼリー」もそうだが、とくに幼児や高齢者がかまずに飲みこんだ場合は、事故につながりかねない食品でもある。各食品メーカーは、大きさを工夫しつつ啓発活動を続けている。「コーラアップ」容器パッケージ裏には「のどに詰まらせないよう、少しずつよく噛んでお召し上がりください」と赤系文字が記されていた。
どのブランドも、人気は「ぶどう味」
船山氏は続けて「味は大きく分けて『果汁系』(約60%)とコーラやソーダなどの『飲料系』(約24%)となっています」と説明する。
ところで、果汁などをゼラチンで固めた「グミ」の人気フレーバーは、ぶどう味(グレープ)だと聞いたが本当だろうか。
「そのとおりです。ゼラチンとの相性のよさもあるのでしょう。どのブランドもぶどう味が強く、『果汁グミ』も2位フレーバーの約2倍、『ぶどう』が売れます」(同)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら