日本人と仮想通貨の「相性」はどれほどなのか

信用の国における普及の未来を展望

当初は「怪しげな商品だろう」という向きも多かったが、状況は変わってきています(写真:KazuA /PIXTA)

よく日本の技術や製品は「ガラパゴス化している」などと言われて批判されることがありますが、独自のサービスや規格が多いことは間違いありません。

一方、私が日本で驚いたものに「スイカ(Suica)」があります。実は、これも日本が生み出した特殊なサービスの1つです。私は世界各国の決済事情を調査したことがありますが、ここまで便利なIC式交通カードをあまり見たことがありません。

例えば、アメリカのワシントンDCには「SmarTrip(スマートリップ)」というIC式交通カードがありますが、ワシントンDC内の地下鉄や路線バスでの利用に限られています。同じく私の母国フランスにある「Navigo(ナヴィゴ)」というカードは決済機能のない定期券です。利用できるのはパリ市内の地下鉄とバスに限られています。

もちろん探してみれば、香港や韓国でスイカと同様のカードを見つけることはできますが、数えるほどしかありません。スイカのように1枚のカードで大半の鉄道・バス会社の運賃を支払うことができ、なおかつ広範囲な店舗で利用することができるIC式交通カードは世界的にも珍しい存在なのです。

日本で電子マネー犯罪が横行しないのはなぜ?

世界では電子マネーカードの普及に伴って、新たな犯罪も増えつつあります。その一つが「digital picpocket(デジタル・ピックポケット)」です。ピックポケットとはスリのことで、言ってみれば「電子マネースリ」ということになります。

その手口はいたってシンプル。改造したICカードリーダーを他の人のIC式カードに近づけるだけで、いとも簡単に任意の金額を盗みだすことができるのです。1回あたりの被害額が数百円の場合も多く、被害に遭ったことすら気づきにくい犯罪です。

ただ不思議なことに、便利な電子マネーカードが普及している日本では大きな問題にはなっていません。

そもそも、利便性が高ければ高いほどリスクも高くなるはずです。スイカのようなシステムが普及している国ならば、それに関連する犯罪も増加するのが自然な考え方でしょう。ですが、実際に日本がそのようになっているとは思えません。

次ページ日本人は「信用性」で電子マネーを使っている
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 財新
  • 実践!伝わる英語トレーニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT