「減額でも黒字確保」で名を上げたホンダだが、正念場は来期

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「減額でも黒字確保」で名を上げたホンダだが、正念場は来期

ホンダは2008年4~12月期の決算発表と同時に、今09年3月期の通期業績見通しを下方修正した。修正後の今期見通しは、売上高10兆1000億円(前期比15%減)、営業利益1400億円(同85%減)と、当期純利益800億円(同86%減)。

販売不振と為替レートの見直しにより再度の減額となったものの、通期営業利益を1400億円の「黒字」としたことを評価する報道も多いが、一断面を切り取って採点するのは適切ではない。気になるのは棚卸し資産が12月期末で1兆3658億円と、9月末時点の1兆3348億円より増えている点だ。主力の米国市場における在庫日数は12月時点で100日と高水準にとどまっており、売り上げの急落に生産調整がまだ追いついていない。つまり、厳しいのはこれからで、来2010年3月期は今上期のような為替の優位性も剥落することから、営業益は通期で喫水線をたどることになるだろう。「東洋経済オンライン」では、来期予想を下表の通りとする。

ちなみに、今回の減額について会社側では想定為替レートを1ドル85円、1ユーロ110円に、通期平均で1ドル101円を100円に、1ユーロを136円から140円にそれぞれ変更している。通期の売り上げ台数は4輪車が従来予測の365万台から352.5万台に、2輪車が同1030万台から1017.5万台へいずれも下方修正している。


《東洋経済・最新業績予想》
 (百万円)    売 上  営業利益   経常利益  当期利益
◎本2008.03   12,002,834    953,109    895,841    600,039
◎本2009.03予  10,100,000    140,000    135,000     80,000
◎本2010.03予   8,600,000          0      5,000     73,000
◎中2008.09    5,694,086    370,198    384,557    302,927
◎中2009.09予   4,400,000     -3,000     30,000     42,000
-----------------------------------------------------------
          1株益\    1株配\
◎本2008.03        330.5          86 
◎本2009.03予        44.1          66 
◎本2010.03予        40.2       22-44 
◎中2008.09        166.9          44 
◎中2009.09予        23.1       11-22 
高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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