タピオカブームの影に潜む「ポイ捨て」の深刻さ 捨てられた容器の見るにたえない無残な様子

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、今回現場を歩いて気になったのが、自販機専用空容器リサイクルボックスに容器を無理やり突っ込む人の多さだ。タピオカミルクティーの容器は比較的大きいため、ボックスの投入口に詰まってしまい、完全にふさいでいるケースもあった。これでは、本来の清涼飲料水の空容器を入れることはできない。

Twitterでも、「みんなタピオカ買ったらゴミどうしてる?w わたしは駅の構内のペットボトルのゴミ箱派〜 ポイ捨て厳禁!」というツイートを見かけた。どうも、リサイクルボックスをゴミ箱と勘違いしている人が多いのではないだろうか。

清涼飲料の業界団体は注意呼びかけ

「とても困っています」。そう話すのは「一般社団法人全国清涼飲料連合会」(全清飲、東京都千代田区)の広報担当者だ。全清飲とは、メーカーや関係団体などで作る業界団体で、飲料業界をめぐる環境問題の対応などを行っている。

その1つが、2018年11月に出された「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」である。2030年度までにペットボトルの100%有効利用を実現するため、2019年度から活動を本格化している。重要な役割を担うのが、自販機専用空容器リサイクルボックスの活用だ。

「自販機横にある自販機専用空容器リサイクルボックスは、自販機で販売した清涼飲料水のペットボトル、缶、瓶の空容器をリサイクル目的で回収しています。ですので、自販機で購入した容器以外のものを入れないよう、お願いをしてきました」

しかし、全清飲が昨年12月にリサイクルボックスの中身について組成分析したところ、異物が31%も混入していた。たばこの吸い殻や空の弁当箱、カフェなどの持ち帰り用カップが多かったという。

とくにカフェの持ち帰り用カップはサイズが大きいために、投入口をふさいでしまったり、さまざまな異物が入ることで本来入るべき空容器が入らず、結果的に散乱してしまうという問題が明らかになった。

そこで全清飲では、啓蒙の目的で5月から、「リサイクル目的に空容器だけ集めています」という呼びかけを書いたステッカー50万枚を東京都23区や大阪府全域などで配布を始めた。リサイクルボックスに貼ってもらうという。

ステッカーを貼られたリサイクルボックスにもタピオカミルクティーの容器が突っ込まれている(写真:弁護士ドットコム)

「前回、組成分析をしたときには、タピオカミルクティーの容器はあまり問題になっていませんでしたが、地域によっては増えていると思います。業界をあげてリサイクルに取り組んでいますので、リサイクルボックスをゴミ箱扱いせず、自動販売機で売っている清涼飲料水の空容器だけ入れてください」と担当者は話す。

しかし、渋谷駅近くで、そのステッカーを貼られたリサイクルボックスにもタピオカミルクティーの容器が突っ込まれているのを発見してしまった。タピオカミルクティーはおいしいが、買ったら最後まできちんと持ち帰り、適切な場所に捨てよう。

弁護士ドットコムの関連記事
フードコートに持ち込んで食事する人々、マナー違反だけじゃなく「違法」にもなる?
台風でも「宅配ピザ」に猛烈批判、「ウーバーイーツ」は? シェアエコの労災問題
うなぎで大赤字、疲弊するコンビニオーナー「本部社員に発注頼まれ…」 クリスマスも例年悲劇

弁護士ドットコム
べんごしどっとこむ

法的な観点から、話題の出来事をわかりやすく解説する総合ニュースメディアです。本サイトはこちら。弁護士ドットコムニュースのフェイスブックページはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事