「男の育休」でケンカしまくった夫婦の"数年後" 「家族は永遠」と限らないからこそ必要なこと

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夫婦の共通の趣味はお酒を呑むこと。2人で晩酌をしながら話し合うこともあるそうです。居間には、趣味で集めた酒器がズラリ(著者撮影)

今回の取材でわかったのは、世界から絶賛されているフランスの育児環境は、見習うところはたくさんあるけれど、完璧でもないということ。つまり、完璧な育児環境なんて世界にはないのです。

だとしたら、どんな場所で子育てするにしても、家族にとってベストな育児環境を選んでいく話し合いは必須です。

さらに、このご家庭の長男くんは、アレルギーがあるほかにも、発達支援系のケアを受けたりもしているそうです。夫婦の話し合いが必要になる場面はかなり多かったと想像できます。そんな状況でありながら、「最近は少し余裕が出てきて、子どもの独立後のプランを夫婦で考えることもできるようになった」って、すごいと思いませんか?

責めても怒っても、解決はしない

この連載で「話し合いの大事さ」については何度も描いてきましたが、あらためてその力を思い知らされました。

じゃあ話し合いとは何なのか?

ただ文句を言ったり、相手を論破するのは、話し合いでもコミュニケーションでもありません。髙崎さんの言うように「別れないために、お互いにムリなく続けていくために」行うのが話し合い。

例えば、一方が家事育児分担の負担が多すぎて生活が回っていないとします。でももう一方は仕事が忙しすぎて家事育児の時間が取れない。そんなとき、「父親のくせに!」「母親のくせに!」と相手を責めてもつかれるだけです。じゃあどんなふうに話し合うか。

今は(家事育児または仕事の)どんなところが大変なの? なるほど、それは大変だ……。じゃあ周りの誰かにヘルプを頼めないかな? やり方を見直してみる? 時短グッズやサービスを導入する? 外注する? 外注はお金がきついな……。自治体の支援を何か使えないか調べてみようか? そもそも働き方を変えることはできないのかな?

相手を責めるのではなく、聞くこと、歩み寄ること、アイデアを出しあうこと。それはフランスだろうが日本だろうが変わらない家族の基本です。ただ相手に文句を言っているだけだと、子どもの独立後は、夫婦としても独立の道を歩むことになってしまいます。

というわけで、今回学んだ「家族がつかれないためのヒント」は……。

お互いに頑張っているのに、気持ちがすれ違ってつかれた……。

不満や要望を言うだけじゃなくて、
相手に寄り添うような話し合いをしてみよう。

次回は、久々の単発コラムです。家庭における、もっとも目に見えにくく、家事と呼んでいいかもわからない、でもじわじわとストレスがたまるアレについて考えます。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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