コンサル集団に変われない銀行は捨てられる

再編統合しても、社内がややこしくなるだけ

旧来のビジネスモデルが崩壊し、構造不況業種となった日本の銀行。生き残りの道はあるのか(写真:Vladfree/PIXTA)

地方銀行の2019年3月期決算は、全体の約7割が純利益で減益か赤字となり、2020年3月期も同様の見通しだ。これまでの銀行決算ですっかり珍しくもなくなった有価証券取引の益出しや不良債権処理費用の圧縮という苦し紛れの「利益捻出策」を除く、正味の収益力の悪化はいよいよ深刻といっていい。

原因は、構造全体にある。預金などの短期で資金を調達して長期で運用することによる「長短金利差」で稼ぐという伝統的な銀行のビジネスモデルが崩壊したからだ。既成概念にとらわれず、ビジネスモデルの終焉が示すこの意味を真剣に考えねばならない。

直言すれば、「再編統合で規模拡大すれば銀行は生き残れる」という認識はもはや古い。旧来発想の銀行同士が一緒になっても事態は打開できていないのが現状だ。

筆者は、これからの銀行経営が直面する改革の難しさを鑑みるに、むしろ安易な再編統合は、社内政治をはびこらせるリスクばかりを増大させる恐れがあると考えている。何かを変え、管理するには、規模は小さいほどいい。優先すべきは規模ではなく、ビジネスモデルの抜本的転換だ。

構造不況に追い打ちをかけるデジタライゼーションの波

銀行は、長らく「資金需要があれば、審査をして、格付けに基づいて貸します」を続けてきた。しかし、企業は長期にわたり生産拠点の海外移転を加速し、財務戦略も見直してきた。M&A(合併・買収)すら金融機関には頼らない企業もあるくらいの時代だ。

いくら低金利でも有利子負債の拡大には慎重な企業が少なくない。銀行は、もはや日銀のゼロ金利政策を悪玉論と呪うだけでは済まない状況なのである。さらに、押し寄せているデジタライゼーションの波が旧型銀行にとって、決定的追い打ちとなるからだ。 

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