ダイドー「無人コンビニ」との提携に透ける焦り ベンチャー企業と組み自販機事業をテコ入れ
600にとっても、今回の提携は魅力的だ。一般的な自販機は、無料で設置する代わりに飲料の売り上げで採算を確保する。他方で、600はメーカーではないため、物販だけでは採算が取れない。そのため設置料金を月額3万〜5万円徴収しているのだが、600の久保渓代表は「この設置代金が、展開拡大の際のネックになっている」と語る。
ダイドーグループが自社の自販機と600の自販機を併設した場合、月額の設置料金をダイドーグループが負担する。ダイドーにとっては、この負担があっても、大手との競争によって不利な条件で落札するより1台当たりの収益性が圧倒的に高いという。
データ活用能力を高める
ダイドーグループは今回の提携で、データ活用能力を高める狙いもある。実は、600の久保代表は、LINEの決済サービス「LINE Pay」を立ち上げたメンバーだ。無人コンビニはクレジットカードで決済をするため、購買者情報に、いつ、何を買ったかが紐づけられる。そうした購買情報に基づいて、自販機の品ぞろえを変えていくこともできる。
ダイドーグループも自販機のオンライン化を進めて購買情報を集めてはいるが、分析するノウハウには乏しい。600の強みであるデータ活用能力を既存の自販機にも展開することで、屋内での設置だけではなく既存の自販機1台当たりの売上高の底上げを図りたい考えもある。
自販機業界にもIT化の波は着実に押し寄せており、生き残るために対応は必須。下位メーカーとして、どのように生き残っていくのか。ダイドーにとって今回の提携はその試金石になる。
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