東工大生が考えた「おせっかいな問題集」 ドコモの支援プログラムに集まるスタートアップ①
サービス開始は今年4月を予定している。課題は、出版社を口説いて提携し、参考書や問題集の品ぞろえを充実させることだろう。どれだけサポート機能が充実していても、学生にとって購入したい参考書がなければ元も子もないからだ。
しかし、それこそが、ドコモのプログラムに参加した理由だ。「NTTドコモの支援を受けている」とドコモの看板を掲げることで、信用力が上がったのだ。昨年には文部科学省なども後援する日本eラーニング大賞に応募し、デジタル参考書部門賞を受賞。こうした実績をアピールすることで、興味を示す出版社も増えている。
マーケティングや教材開発に役立つデータの提供もアピールポイントだ。出版社は参考書がヒットしても、データが乏しく、なぜ売れたのかといった詳細な分析ができなかった。だが、アトラスでは、学生の購買までのプロセスを解析し「タイトルが悪く、そもそも手にとられていない」「立ち読みは多いが、購入に結びついていない」といったデータを提供できる。学習履歴からは、「東京大学の志望者向け問題集として販売したが、難易度が低い」といったミスマッチも指摘できる。
「当初から多くの出版社と提携し、幅広い教材をそろえるか、ターゲットを絞って展開するかどうかは検討中」(後藤CEO)。どちらの戦略をとるかは、ドコモのアドバイスを受けながら決定していく。2~3月には、複数の出版社と実証実験を始める予定だ。
子供たちに勉強好きになってほしい
後藤CEOの目標は、「まずはサービスを広げていくこと」。現在、文部科学省などが、2020年までに全国の小・中学校でタブレット端末を1人1台整備する目標を掲げている。デジタル教科書の開発も進んでいく。そうした中、いち早くデジタル教材の販売インフラを作るのだという。その先には、今勉強していることが何に役立つのか、といった情報も提供し、「多くの子供たちに勉強を好きになってもらいたい」という夢も持っている。
教育サービスはドコモが現在、最も注力する分野のひとつ。アトラスはタブレットの存在が前提のサービスゆえに、多様なデバイスを扱うドコモとの相性はいいかもしれない。プログラムの締めくくりとなる3月の発表イベント「Demo Day」では、完成したサービスはもちろん、ドコモとのコラボの行方も注目される。
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