「テスラ進出」に身構える中国メーカーの思惑 規制緩和でEVシフト加速、競争激化は必至
4月16日に開かれた上海モーターショーで、新興EVメーカーの小鵬汽車が「テスラ・モデル3より自動駐車機能が優れるスマートカー」と大々的に打ち出した航続距離600kmの新車種「P7」を発表した。
ほかにも蔚来汽車(NIO)、威馬汽車、BYTONなど新興EVメーカー15社が披露した新型スマートカーが注目を浴びている。中国政府の補助金政策を追い風に中国のEV市場は急速に拡大。この数年間に多くの新興EVメーカーが開発に乗り出した。
一方、2020年末の補助金政策の廃止は既定路線であり、テスラをはじめとする外資系自動車メーカーがEV市場に本格参入する状況にあって、新興EVメーカーは今まさに危急存亡の秋を迎えている。
中国のEV市場開放でチャンスをつかんだテスラ
テスラは中国でのEV需要増を見据え、「モデルS」の輸入車販売を2014年から開始した。すでに中国全土に急速充電設備を1000台超、体験センターを約30店舗設置している。中国での販売台数は1万4020台、中国EV市場におけるシェアは約2%にとどまっている。
富裕層の多い大都市での販売台数が全体の80%を占める状況は、アメリカからの全量輸入に起因する高価格が拡販の足かせとなっていることを示している。
2018年6月、中国政府は大胆な市場開放政策を打ち出し、EV市場における外資の出資制限を撤廃した。この発表はテスラにとって絶好のチャンスとなった。2019年1月8日、中国における外資独資の自動車工場の第1号、「ギガファクトリー3」と名付けられるテスラ上海工場を建設し始めた。新工場の最大生産能力は50万台、本年末から「モデル3」と「モデルY」を生産する。
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