新宿、次の「大改造」で京王の駅は混雑緩和する? ホーム移動し改札新設、JR線上空にデッキも
地下化当初のホームは、1両の長さが18mの車両の6両編成に対応する5面4線だった。当時の京王線はこれが最大の編成だったためだ。だが利用者の増加は続き、地下化からわずか5年後の1968年には一部ホームを7両編成対応に改良。さらに1975年10月には、線路を1本減らしてスペースを捻出し、20m車の8両編成に対応させた。しかし、これでも増え続ける乗客に対応するにはまだ足りなかった。
そこで、1979年には20m車の10両編成に対応すべく工事を開始した。この際はホーム近くにあったポイントを笹塚寄りに約300m移設するなどの大工事となり、完成したのは1982年10月。このときから、ホームは現在見られる3面3線となった。
ホーム延伸のために線路やホームを減らしたり、ポイントを移設したりと大がかりな工事が必要だったのは、京王線新宿駅の地下スペースが狭いためだ。隣接して1964年に開業した京王百貨店の駐車場などがあり、ホーム延伸の際には先端部を狭くするしかなかった。また、東側は小田急新宿駅と小田急百貨店に、北側と西側は西口地下駐車場に囲まれている。
このため、同駅のホームは横にも広げられず、先頭(笹塚寄り)に行けば行くほど狭くなっているのである。
再整備でどう変わる?
京王の新宿駅を北側に移設するとなれば、西口地下駐車場のスペースを使用することになるだろう。そうなれば、現在のホームの狭さが改善されることは間違いない。一方、「新宿の拠点再整備方針」の資料に記載された京王線ホーム移設計画の図では、ホームそのものは現在の3面3線の構造のままで描かれている。
だが、京王は現在笹塚―仙川間で連続立体交差事業に取り組んでおり、その後は笹塚―調布間の複々線化計画もある。これらが完成すれば、ラッシュ時に現在よりも列車本数を増やす可能性もありうる。そうなれば、4つ目の乗り場をつくることも考えられないことではないだろう。
利用者数は極めて多いものの、手狭な状況が続いてきた京王線新宿駅。この再整備が行われれば、不便さの解消と乗客の流れがスムーズになることが期待される。新宿駅では東西自由通路の整備がまだ続き、京王も連続立体交差事業を抱えているという状況の中では時間がかかる取り組みとなるだろうが、京王や新宿の未来のためには必要な整備であろう。
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