上司が知っておくべき正しい「クビ」の切り方 「徹底的なホンネ」を語るのはボスの義務だ

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1つ目は、それがうまくいっていない本人にとって正しいことだからだ。問題を早めに特定すれば、その人に対応する時間を与えられる。本人が問題に対応しなかったりできなかったりで、解雇しなければならなくなった際には、ショックを弱められる。

2つ目は、それは上司(あなた)にとって正しいことだからだ。ある四半期にはいい評価を与えておいて、次の四半期にクビを切ったら噂になるし、メンバー全員の信頼を損なうことになる。解雇した社員に訴えられるリスクがあるのは言うまでもない。仕事ができないという問題に対応するのは愉快ではないし時間もかかるが、訴訟となればもっと時間がかかり不愉快なことになる。

3つ目に、会社にとってもそれが正しいことだからだ。問題を特定し早めに手を打てば、訴訟リスクを大幅に減らすことができるし、法的書類を数カ月間も苦労して整える間も、彼らに給料を支払い続けなくて済む。

最後に、これがいちばん重要だが、足をひっぱる社員を解雇するのは、卓越した仕事をしている人たちに対して公正なことでもある。粗末な仕事ぶりに耐えることは、すばらしい仕事をしている人たちにフェアではない。

見て見ぬふりをしてはいけない

正しいクビの切り方② 1人で決めない

ある社員のパフォーマンスに問題があるとわかっても、あなたが1人でその処遇を決めなくてはならないと頑張る必要はない。怒りに任せて誰かをクビにすべきでないし、かといって見て見ぬふりをして解雇を引き延ばすのもよくない。時間をかけて上司に助言を求め、同僚に意見を聞き、人事部の助けを得よう。

自分の頭の中で考えが堂々巡りになる人は多い。上司と同僚が頭をすっきりさせてくれる助けになるだろう。また優秀な人事のプロがいれば、考えをすっきりさせてくれるだけでなく、あなたも会社も訴えられない形で解雇が行われるよう手助けしてくれる。

もしそんな人が社内にいない場合には、雇用専門の弁護士に相談するか、人事のプロまたは経験豊富な管理職を見つけて助けを求めよう。また、アドバイスをもらうだけでなく、あなたが書類にしたものも校正してもらったほうがいい。

パフォーマンスに問題のある部下の改善計画を、直属の上司が書くように指示されることは多い。この改善計画は、フェアでなければならないが、簡単すぎてもいけない。しかし、「フェアに」という部分は聞いていても、「簡単すぎてはいけない」というところは聞いていない管理職も多い。すると、その社員は計画に書かれたことを達成できても、根本的な問題は解決できず、成果が上がらないまま3カ月が過ぎ、半年が過ぎる。

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