「大盛りいか焼そば」が撤退せざるをえない実状 売り上げは「U.F.O」の1割程度に過ぎなかった
ただ、ここで注意したいのは、上位と下位では、大きくポイントに差がついていることだ。
「スーパーカップ 大盛りいか焼そば 167g」は「日清焼そばU.F.O. 128g」に10倍ほどの差をつけられている。カップ焼きそばは、「日清焼そばU.F.O. 128g」「マルちゃん ごつ盛り ソース焼そば 171g」「ペヤング ソースやきそば 120g」「一平ちゃん 夜店の焼そば 135g」が“4強”であり、そのほかは、なかなか苦戦を強いられている状況だ。
本記事の担当編集者が3月29日と30日の2日間で、東京都内のスーパーを10軒回ってみたところ、「スーパーカップ 大盛りいか焼そば 167g」を1つも見つけられなかった。撤退を見据えた生産・出荷調整を進めていたからかもしれないが、確かにどのスーパーも“4強”の商品が目立ち、5位以下は店によって置いているブランドがマチマチだった。POSデータを持ち合わせていないが、コンビニエンスストアでも「スーパーカップ 大盛りいか焼そば 167g」は見る影もなかった。
強者の強みが価格に反映される
ここで面白いデータを2つお見せしたい。まずは、どちらの商品が季節に乗れているかを示すグラフだ。基本的に焼きそばは夏の食べ物だとされる。夏祭りや、あるいは、ビーチ、花火会場などでビールとともに食する経験は多いだろう。その時期に合致した売れ行きを示しているか見てみよう。比較は、ランキング1位の「日清焼そばU.F.O. 128g」と、今回販売終了する「スーパーカップ 大盛りいか焼そば 167g」だ。
1店当たり売り上げ点数を、この1年間にさかのぼってみると、
「日清焼そばU.F.O. 128g」はカップ焼きそばの顔ともいえる存在のためか、夏時期の販売量がグンと伸びているのがわかる。それにたいして、あくまでもこの1年のデータではあるものの、「スーパーカップ 大盛りいか焼そば 167g」の売上点数はやや寂しい。
そして、2つ目のデータは、消費者にいくらの金額で訴求できるかだ。当然ながら、小売店としては定番品であれば安定した価格で販売したい。そうすると売り上げが上下することがない。また販促のために、無理な値下げも回避できる。
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