スバル、最上級モデル「S209」日本投入はあるか 平川良夫STI社長への独占インタビュー・後編

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1月にSUBARUが北米国際自動車ショーで発表した、Sシリーズ初となるアメリカ市場向けモデル「S209」(写真:スバルグローバルメディアサイト)
SUBARUのスポーツブランド・STIが創立30年を記念し、ファンとの交流の場として「STIモータースポーツデー」(2019年3月10日:静岡県の富士スピードウェイ)を開催した。その際、STI社長の平川良夫氏に話を聞く機会を得ることができた。
東洋経済オンラインでは3月18日に、STIに求められる役割や今回のイベントの狙いについて平川氏へのインタビュー記事を配信した。後編では、今年1月に発表されたハイパフォーマンスモデル「S209」について、じっくり聞いていく。

北米S209はグローバル展開の第一歩

――何かと話題のS209についてお聞きします。1月に北米国際自動車ショー(通称:デトロイトショー)では、アメリカ専用モデルとして発表しました。となると、日本市場向けの別のS209があるのか、それとも日本向けにS210? はたまた22Bの後継が登場など、さまざまな噂があります。そのあたり、ズバリどうなのでしょうか。

北米S209については、いくつかの視点でお話しさせてください。第1に、Sシリーズをこれまで日本市場専用としてきたことは、本来のSTIの(あるべき)姿ではないと思います。

STI社長の平川良夫氏。富士スピードウェイのピットにて(筆者撮影)

例えば、(東京の)三鷹のSTI本社には小さいですがSTIギャラリーがありまして、30周年を機に建屋の中にある柱に好きなメッセージを書いてもらうようにしました。すると、ロシア、ドイツ、スペイン、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南米の国など、各国のSUBARUファン、STIファンの声が実際に書き込まれています。

まさに、STIは市場において比較的壁がないことを証明していると思います。デトロイトでの北米S209の発表は、STIをグローバルに展開するための第一歩だと理解してください。

――排気量もグローバル化を念頭に2.5リッター、ということになるのでしょうか?

北米S209を、これまでの日本向けSシリーズ同様に2リッターにすることは技術的には問題ありません。ですが、5年、10年、15年とS209を使う中で、アフターサービスや部品供給の面で、お客様とディーラーにとってよりよい状況を優先するべきだと考えました。

一方、日本で2.5リッター化すると(北米とは逆に)お客様とディーラーが不便に感じてしまいます。ただし、(近いうちの)日本向けのSシリーズ導入について、可能性はゼロではない、とだけ申し上げておきます。

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