「運転中のスマホOK」でも喜べない車業界の難題 公道の自動運転に向け法整備が前進するが…

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ペガサスの特徴は、各社が協力して多くの事故データを持ち寄ることで、安全基準の信頼性を高められる点にある。ペガサスは今年6月にいったん終了するが、海外メーカーを含め参加団体を3倍に増やした後継プロジェクトを立ち上げる。ドイツは自国主導で策定した安全基準を欧州、さらにはWP29で国際的な標準とすることを狙っている。

WP29への対応は、国によってスタンスが異なる。日本はWP29に加盟しているものの、国内の安全基準は国際標準と一致することを必ずしも求めていない。このため、今回の改正法が施行されれば、日本国内でレベル3の実用化に道が開ける。ただし、国際標準が定まらないと、海外でその機能を搭載した車が売れない可能性が出てくる。

法的責任など課題は山積み

自動運転に詳しいデロイトトーマツコンサルティングの周磊(しゅう・らい)パートナーは、「海外での自動運転ビジネスの環境はまだ整っていない。国際的な業界標準の策定を急ぎ、自動車大国である米国・中国の動きを注視する必要がある」と指摘する。

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このほかにも、損害保険の整備、無人運転で事故が起きたときの法的責任のあり方など自動運転時代に合わせた環境整備はまさにこれからの課題だ。「都心と地方では自動運転に求められる条件も異なるはずだ。ある種のローカルルールを作れる仕組みを作っていただきたい」(自動運転に取り組むベンチャー企業・ティアフォーの加藤真平会長)。

2020年には自動運転を使ったサービスが立ち上がってくる。それは自動運転を社会に組み込んでいくためのスタートでしかない。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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