いくつになっても夢をもつことは大事 『プレーンズ』プロデューサーに聞く

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監督も飛行機オタク

ジョンが言うには、ある日、ピクサーがあるサンフランシスコ近郊からロサンゼルスに向かって飛行機で飛んでいるときに、「『カーズ』の世界を大空に置き換えて飛行機を主人公にした映画はどうだろう。これはすばらしいアイデアだ!」とひらめいたそうです。それで飛行機が降り立つなり、監督のクレイ・ホールに電話をかけました。もともとジョンは、クレイと長年の知り合いで、彼がパイロット一家の生まれであり、彼自身も大の飛行機オタクだということを知っていたのです。だからクレイなら監督にピッタリだと思い、彼を指名したというわけです。そしてクレイは「ディズニートゥーン・スタジオズ」の所属でもあるので、必然的にうちのスタジオが『プレーンズ』を手掛けることになったのです。

――ジョン・ラセターさんのパブリックイメージといえば、いつも元気で、子供心を忘れない人といったものがあります。彼の下で働く人にとって、どんなボスなのでしょう?

彼と毎日仕事を一緒にするということは、映画作りの大学院の修士課程で学んでいるような、ほんとうに貴重な体験なのです。彼にはカリスマ性があって、エネルギーに満ちあふれています。いい意味で子供がそのまま大きくなったような人なのですが、子供のような好奇心があって、物事の細かいディテールにもつねにこだわっています。そして彼はつねに物事を観察していて、いろいろなものをジロジロ眺めたりするのです。そういうところも面白いなと思いますし、インスピレーションにあふれていて、何よりもクリエーティブですね。ほんとに刺激的な存在なのです。

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――監督がものすごいメカオタクだとお話されましたが、一般層に向けた視点を加えるという意味で、トレイシーさんが女性の視点でアドバイスをしたことはありましたか?

監督とはお互いにいつもいろいろと意見をぶつけ合って、よりよい作品にしていくための非常にすばらしいパートナーシップが築けています。だからといって具体的に、ここのアイデアはわたしが出したのよとか、私のこれがお手柄よ、みたいなことは言えないんですけどね。お互いの責任や、役割分担みたいなものは、きっちりわきまえていますから。

ただおっしゃるとおり、女性の立場から「それはあなたにとっては当然と思えることかもしれないけども、私にはピンとこないわ」といった反対意見はきちんと言っています。そういった形で意見交換をしながらストーリーを作っていましたし、最高の形のコラボレーションだったと思います。

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