三菱商事の「新規投資凍結」報道は言い過ぎだが、アクセルよりもブレーキ優先を明確化

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三菱商事の「新規投資凍結」報道は言い過ぎだが、アクセルよりもブレーキ優先を明確化

「三菱商事が新規投資を凍結する」と朝日新聞に報じられた。世界的な景気後退や資源やエネルギー価格の下落などを受けて投資リスクが拡大してきているためだが、この記事には正しい部分と誤解を招く部分がある。

記事には「新たな投資決定を行わない方針を決めた」とあるが、それはちょっと言い過ぎだろう。三菱商事が昨年12月の経営戦略会議で確認した方針は、現状、コミットしている分までで当面の間、投資残高を積み増さないということ。新規投資は既存資産の入れ替えで行うことを原則としている。

つまり、既存資産を入れ替える限りにおいては新規投資を行う、という解釈も可能で、まったく新規投資を行わないというわけではない。ただし、既存資産の売却も同時に考えなければならないとなれば、新規の投資がかなりやりにくくなることは間違いない。

三菱商事は、「INNOVATION 2009」という08、09年度の2年間の経営計画で、最大1兆5000億円程度の投資を行うとしていた(これはネットの投資残高の増加額で、計画上のグロスの増加額は1兆8000億円)。この1兆5000億円という旗を降ろすかどうかについては、公式にはコメントはない。

08年度の第2四半期(08年4~9月期)までで4900億円を投資済みだ。すでに決定済みの投資額もあるが、これまででまだ1兆円にも達していない模様。「当面の間」がどれくらいの期間を指すかは不明だが、新規投資が既存資産の入れ替えを原則とするなら、2年間で1兆5000億円には達しないことになる。

1兆5000億円の投資に関しては、昨年10月末の08年4~9月期決算発表の席上で、水野一郎副社長は「投資額1兆5000億円は、2年間で株主資本が1兆円増える前提の数字だったが、利益増えているものの、(未実現有価証券評価益や為替換算調整勘定の減によって)株主資本は増えていない。1兆5000億円できるかわからない」と、下振れの可能性があることを言及している。その後の経済環境が悪化する中で、より警戒を高めているのは間違いないだろう。

今年1月5日の社内向けの年頭挨拶で、三菱商事の小島順彦社長は、「先行き不透明な環境に対応するための緊急施策を打ち出し、健全性を最優先して経営に当たることを決めました」と述べている。
(山田 雄大 写真:梅谷秀司)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
◎本2008.03  23,103,043 355,105 544,505 462,788
◎本2009.03予 25,000,000 630,000 675,000 520,000
◎本2010.03予 22,000,000 390,000 510,000 395,000
◎中2008.09  13,180,573 312,526 375,802 289,199
◎中2009.09予 11,500,000 200,000 260,000 190,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
◎本2008.03  279.0 56 
◎本2009.03予 316.6 64 
◎本2010.03予 240.5 48 
◎中2008.09  176.1 36 
◎中2009.09予 115.7 23 

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