全国の地方鉄道、「大同団結」すれば面白くなる いすみ鉄道前社長・鳥塚氏の大胆アイデア
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いすみ鉄道のノウハウを各地に生かす活動
――いすみ鉄道社長からNPOの理事長と立場を変えて、今後どのような活動をしていくのですか。
「お金になること」をやらなければという一方で、「面白いこと」をやりたいなと。できれば、鉄道に関わる仕事で。
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ローカル線にとって、「鉄道は地域の足」であるのはもう限界だと考えている。地域内の交通手段として鉄道を維持し、経営を回していくことはできない。しかし鉄道を上手に使って外から人に来てもらえるようになれば、それが産業になり、地域がよくなり、有名になることで住民に誇りも生まれる。
2009年にいすみ鉄道の公募社長になった当時、観光列車を走らせる案を出したら、地域の議員さんたちから「観光なんて遊びだろう。税金を出して存続している鉄道を、遊びに使うわけにはいかない」と異論が出た。
それで、「あなたにとっての観光は遊びだろう。しかし、よその土地からいすみ鉄道に乗りにやってくる人は、前日にATMで1万円札を下ろして、お金を持ってくる。今は買うものがないからお金を落とさない。そこでどうすれば喜んでお金を払ってくれるような商品やサービスを提供するかを考えれば、新しい産業になるんだ」と説明するところから始まった。現在ならもっとスムーズに理解が得られただろうが、10年前にはまだ機が熟していなかった。
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