【林文子氏・講演】本当に心が満たされる仕事のやりがいとは何か(その4)

東洋経済新報社主催フォーラム「Employee Engagement Forum 2008」より
講師:林文子
2008年10月2日 ダイヤモンドホール(東京)

その3より続き)

●業績が上がらないのは自信を失っているから

 7年ぐらいしたときに、社長から支店長をやってくれとお話がありました。1993年のバブルが弾けた後ですが、新宿支店というところに行きました。ここは都庁の壮麗なるビルがあって、大変美しいロケーションです。しかしバブルが弾けて経営が大変難しくなりました。クローズすることも視野に入れなければいけないというところだったのですが、大変目立つ場所にあったので、そこを閉めると会社全体のブランドイメージが下がるということでした。では、変り種で女性を派遣してみるかということだったらしいです。最盛期には14人いた男性のセールスの方が、当時7人しか残っていませんでした。それぞれ素敵な方たちでした。本当に個性的だし、すごくお洒落。26歳から46歳ぐらいの年齢構成の7人ですが、非常にいい感じでした。
 それで仕事の仕方を見ていましたが、皆さん資質は高い。でも業績が上がりません。なぜか。それは自信を失っているからです。どういう会社でもあることなのですが、お店全体が売れなくて自分の業績も悪いということになりますと、本当はスキルがあるのだけど、それを思い出せなくなってしまう。最盛期にはかなり売っていたお店ですから、そんなはずはないのですが自信が無くなってしまうのです。3年ぐらいそういう生活をしていますと、目標は未達のために存在するようになってしまうのですね。

 営業は、毎日毎日いろいろなことがあります。飛んで歩いて、そして1ヵ月経てば営業成績がリセットされて、またゼロになって1から始めていく。1年経つと年間成績が出るけれども、またゼロになって1から始める。こういうことを繰り返してやっていかなくてはいけない。この人たちの精神性の問題なのですが、非常に気持ちが落ち込んでいて、寂しかったり、つまらなかったりして飽きている。こういう精神状態にある人は、自分にも自信がありません。そして自分の働いている職場をちょっと否定している。お店全体が沈んでいるのです。そういう気持ちを持っている人たちに、私が自分の計画を話しても意味が無いと思ったのです。
その5に続く、全8回)
林文子(はやし・ふみこ)
現・東京日産自動車販売会社・代表取締役社長。
東洋レーヨン、HONDAの営業経験などを経て、BMW東京株式会社の新宿支店長、中央支店長に就任。その後フォルクスワーゲン東京代表取締役社長、BMW東京の代表取締役社長、ダイエー会長のキャリアを経て現職に至る。
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