お金持ちが100円ショップを利用しないワケ

資産価値を気にするのは不動産だけではない

3つ目は、普段の買い物でも資産価値を気にすることです。洋服、バッグ、時計などの高級ブランド品を使い古したり、飽きたりしても、捨てることなく「セカンドハンド」(中古ブランド品を扱うショップ)に売りに行く人がかなりいます。なぜ、億単位の資産を持つ富裕層なのに、こうした庶民的な行動に出るのでしょうか。

日本では100円ショップが全国津々浦々に展開し、100円ショップのグッズを活用した節約技がブログなどでも話題になります。シンガポールにも日本の100円ショップがあって、庶民には大変人気があります。

しかし、シンガポールのお金持ちは、細々とした安いものはあまり買わない傾向にあります。100円ショップなどで買ったものは長く利用できないからです。もちろん一度しか使わない消耗品であれば、安いに越したことはないので、時と場合によっては活用するでしょう。しかし、ほとんどのものに関して、厳選した質のよいものを長く使う人がほとんどです。そして、使わなくなったら価値のある間に躊躇なく売ります。そのため、買い物をする際も、単に「はやっているブランド品だから」という理由で買い物することはありません。そのブランド品が将来的に高値で売れるかどうかを意識しています。こうして普段身に着けるものも、資産の一部として考えているのです。

「何年も使って傷だらけだったのに、こんなに高く売れたのよ」と、人気ブランドのアクセサリーを買取ショップに持って行った友人は、うれしそうに話してくれたことがありました。

レアな時計なら、故障していても買値より高く売れる

「お気に入りの(レアもの)時計が故障したから売りに出したら、買値よりも高く売れた」という話も聞きました。アジア圏でロレックスが人気なのは、リセールバリュー(中古品の再販価格)が高いからだと言われています。ロレックスより高い時計はいくらでもありますが、それらの値下がり幅はものすごく高いブランドが少なくないのです。そのため、資産価値のあるロレックスをしている富裕層が多いのもうなずけます。

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自動車マニアの友人も高級外車の中古をうまく回せば、トントンくらいで売れると言い張ります。かくいう私も自宅で眠っていたバッグや洋服、靴などを売りに出し、思ったよりも高く売れるので味を占めて売りまくっています。

もちろん、買った値段、そのものの需要と希少価値、売るタイミングなどの条件を満たさないといけないので、毎度うまくいくわけではありません。ただ、少なくとも外国で名が知られているブランドのものはコンディションがやや悪くても、多少の価値はつくようです。

お金の使い方に正解はありません。海外不動産に投資をしている富裕層の中には、利益が出ていない人もいます。保険も資産性がある保険の中にも掛け捨て部分があります。場合によっては、掛け捨てを選ぶことも有効です。しかし、お金持ちは掛け金の額も大きいので、掛け捨てを選ばない傾向にあるようです。

不動産ローンの支払いや保険料の支払いが終われば、少なくとも不動産は資産になり、保険契約には解約返戻金が蓄積されることになります。保険に入っていなかったら、ほかのことに消えていたであろうお金が蓄えられているわけです。私たちがすべてをまねすることはできませんが、不動産、保険、自動車、時計など、大きな買い物をする際は、資産価値があるのかどうか(売るときのことも)を気にしておいたほうがよさそうです。

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