――最初から原賠法16条の解釈を誤っていたと。
本来なら、東電を破綻処理して株主や銀行などの責任をとらせて、そのうえで税金を投入すべきもの。責任をとらないままの関係者がいるということは歪んでいる。このことは、私は震災直後から問題点として投げかけていた。
――機構法は附則で「政府は早期に原子力事業者(東電)と政府、株主その他利害関係者(銀行など)の負担のあり方を含め、必要な措置を講ずるもの」としている。
やはり、最初に玉虫色のままスタートしたからだ。当時は、賠償費用にどれだけ費用がかかるかわからなかった。それで中途半端に東電の責任にしておいたのだが、株主も債権者も責任を負わないまま、大量の税金投入になるということに、将来おそらく納得できない時期が来るだろうと見越していたと考えられる。
――破綻処理には各方面から反対論も強い。
破綻処理すれば、一般担保付きの電力債が優先弁済を受け、劣後する被災者の賠償債権が毀損するという懸念は当時からあった。ただ、会社更生手続きにおいても、電力債の弁済については調整可能だ。基本的には和解なので、被災者の弁済が優先される場合もありうる。仮に被災者の債権が劣後して損害賠償が足りなくなった場合は、そういう時こそ国が支援すべきである。
また、破綻処理すれば、電力債が毀損し、社債などのマーケットが混乱するという“脅し”のような反対論もある。JALの処理の時などもそうだった。だが、必ずしもそうはならなかった。
ただ、私は破綻処理するとしても、分社化を前提したスキームを目指すべきだと考えている。東電にも株主にも、債権者にも言い分はあるだろう。私は国会の事故調査委員会の委員として「福島事故は人災だった」という取りまとめをしているが、人為的ミスがあったのは確かだが、100%人災だったとは言っていない。
債権者としても、東電が丸ごと責任を負うということに納得感はないだろう。巨大津波が原因だったのは事実だし、当時の松永(和夫)経産事務次官と密約があったかはともかく、震災後に銀行が東電に追加融資をした判断には、日本の危機を救わなければならないという思いもあっただろう。それを、破綻だからすべて負担せよというのはどうかということもある。
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