鉄道界のこの1年は?2018年のニュース10選 複々線から新型車両、新駅名まで話題豊富
JR東日本が品川―田町間に建設中の新駅名が「高輪ゲートウェイ」に決まった。12月4日の発表以来、ネット上を中心に批判の声が続出し、撤回を求める署名運動も行われている。賛否は人それぞれだが、大阪メトロの駅改装に対する反応ともども「街の顔」である駅に対する関心の高さを示していると言えそうだ。
江津(島根県)と三次(広島県)の間約108kmを結んだJR西日本のローカル線、三江線が3月31日限りで運行を終え、最初の区間開業から数えて88年の歴史に幕を閉じた。JR発足後、全長が100kmを超える長大路線の廃止は本州では初となった。
廃止直前こそ車内は鉄道ファンらで連日満員となったものの、同線の2016年度の1日1km当たりの平均利用者数(平均通過人員)はわずか83人にすぎなかった。地方ローカル線の運営は人口減少などで年々厳しさを増しており、2019年には、JR北海道の石勝線夕張支線(新夕張―夕張間)が3月末限りで廃止される。
夢の技術のはずだったが…
左右の車輪間の幅を変えることで、線路幅の異なる新幹線と在来線を直通できる「フリーゲージトレイン(FGT)」。九州新幹線長崎ルートへの導入に向けて開発が進められてきたが、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会は7月、導入を断念した。北陸新幹線についても見送りとなり、新幹線へのFGT導入は事実上消えた。
FGTは2014年に現行の「3次試験車」が登場したが、耐久走行試験中に車軸の摩耗などのトラブルが発生。実用化のメドが立たない状況となっていたほか、部品交換などのコストがかさむことも問題視された。
一方、近畿日本鉄道は5月、FGTの実用化に向けた検討を開始すると発表。同社はレール幅の異なる路線を抱えており、現在は乗り換えが必要な京都―吉野間を対象に検討を進めるという。
6月9日、新横浜―小田原間を走行中の東海道新幹線「のぞみ265号」車内で刃物を持った男が突然乗客に切りつけ、男性1人が死亡、女性2人が重傷を負った事件は日本中に衝撃を与えた。空港で行われる手荷物チェックなどのようなセキュリティー対策を求める声もあるものの、鉄道会社は利用者数の多さなどから難しいとの見解を示す。2020年の東京五輪を控え、駅や車内のテロ・凶悪犯罪対策は大きな課題だ。
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