これがコーラとジェンガの明暗を分けた!

「蝋人形のオタマジャクシをかじれ!」笑えない悲劇からの教訓

なつかしいスワヒリ語で「建てろ!」

 「ジェンガ」はスワヒリ語で「建てる」を意味する「クジェンガ」の命令形で、スワヒリ語以外の言語にこの言葉は存在しなかった。

レスリー・スコットは「ジェンガ」についてこのように語っている。

「実際私だって、Jengaという語の「音」を何の脈絡もなく初めて聞いた人が、ゲームを想起するとは思っていない。しかもJengaは、名前がついたばかりのゲームなのだ。しかし私は、人がひとたびこのゲームを体験し、その名前を耳にすれば、その内容と名前とを相互に連想することで、両方を覚えてしまうだろうと確信している。なぜなら、ジェンガが、そもそもゲームとはどうあるべきかという期待に応えてくれていること、そしてジェンガという語に、ゲームの呼び名として私たちが持っているイメージを、満足させる何かがあるからなのだ」

「Jengaという語は、アフリカの語としてはるか昔のアフリカの響きを内包しているから、親しみやすく、したがって受け入れられやすかったのではないかと考えるのは、突飛すぎるだろうか」

12月、日本では、2013年の流行語大賞が発表された。「じぇじぇじぇ」という言葉が今回選ばれた4語のうちのひとつであることに、奇妙な縁を感じるが、この「じぇじぇじぇ」の響きにも何かがあるのかもしれない。

というのも、ジェンガが発売された頃、1980年代のアメリカで流れたテレビCMでは、

ジェンガ、ジェンガ、ジェジェジェジェンガ♪

とリズミカルに歌われていたのだ。そのCMは、人々のこのゲームへの認知を形作り、購買に至らせた。

今や商品のネーミングは一大ビジネスと言えるが、音の強さ、言葉の強さ、さらにダメ押しのように、印象的なリズムにそれを乗せること。その大成功が、ジェンガというゲームを世界で2番目に売れているゲームに押し上げた理由のひとつであることは間違いない 。

次回以降もこの連載では、ジェンガ大成功の秘密をひとつずつ考えていきたい。

 

レスリー・スコット著『JENGA--世界で2番目に売れているゲームの果てなき挑戦』では、「ネーミング」についての、言語理論家の見解や、言語学者/哲学者ヴィトゲンシュタインをひいた論考もお読みいただけます。
また、ジェンガのみならず、ブランディングの一環として、商品に有利な社名をいかにつけるかなど、ほかのゲームやレスリー・スコットの起こした会社についても語られています。
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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。