SUVと同じくワゴンブーム到来はありえるか 背の低さと大荷室、走行性が評価されていい

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森口:そう考えると、スバルはレガシィが「アウトバック」だけになった代わりに、ちゃんと「レヴォーグ」を出して、もともとのレガシィの市場を受け継いでいます。そういうふうにずっとつくり続けているのは、この先ステーションワゴンにもう一度脚光が当たったときにブランドとしては明らかに強みになりますね。

女性は見た目に魅力を感じない?

藤島:家族で乗る車として考えてみると、後席の居住性、荷室の実用性という点では、日本人の女性は違うところに目が行きがちです。「スライドドアのミニバンのほうが、子どもが隣のクルマにドアパンチしないですみます」とか「軽自動車でも背高系のモデルのほうが豊かな空間が得られる」とか。

藤島知子(ふじしま ともこ)/モータージャーナリスト。幼い頃からのクルマ好きが高じて、市販車やミドルフォーミュラカーなどのレースに参戦。2017年は女性初のプロレースシリーズの競争女子選手権「KYOJO CUP」に参戦するなど、自身のドライブ体験を通じたリポートも行っている。テレビ神奈川の新車情報番組「クルマでいこう!」は出演10年を迎えた。日本自動車ジャーナリスト協会会員、2018-2019 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(撮影:梅谷秀司)

どうしてもステーションワゴンが特徴とする、背が低い全高に空間を備えているメリットになかなか目が行かなくなっています。そうしたことを踏まえると、女性はワゴンに魅力を感じにくいかもしれない。背の低いステーションワゴンよりもSUVのほうが、見た目は豊かだと感じやすいのでしょうね。

西村:そうした状況を踏まえ、純然たる優雅なデザインを持ったステーションワゴンの1つとしてV60がある。BMW「3シリーズ」「5シリーズ」、そしてアウディの各シリーズにしてもステーションワゴンを好む方々は一定数いるわけですよね。実用性だけでなくしっかりデザイン性も考えられている。

一方で今、藤島さんがおっしゃった内容は、いわゆる機能からステーションワゴンをつくりましたというお話で、そうなると当然、優雅さに欠ける。それはまさにおっしゃるとおり。

藤島:いまステーションワゴンを選べる人は、相当な目利きでハイセンスな人ですよね。

西村:確かに。セダンとステーションワゴンを乗り比べると開口面積の大きなステーションワゴンはセダンと同等レベルの剛性を確保するため、たとえば乗り心地が少し硬くなったりラゲッジルームを通じて車内へ入り込む騒音が大きくなりがち。。けれども、ステーションワゴンとSUVの乗り味における違いの差ほど大きくはない。ここにポイントがありますよね。

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