1年で4倍! 急増する“和僑”って何だ? タイ・バンコクに日本人1000人が集結
自主的に運営しているといっても、今回の世界大会は2日間にわたりホテルの宴会場をすべて貸し切って行われている。かなりの規模だ。
特別講演は、ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏。大前氏は、華僑、印僑、韓僑などと、“和僑”が戦っていく必要性について、少子高齢化が進む日本の現状、縮小していく日本市場のデータなどを見せながら解説。海外で戦う起業家たちに激励のメッセージを送った(内容については、次回記事参照)。そのほか、講演陣にはライフネット生命の出口治明氏、レバレッジコンサルティングの本田直之氏など、そうそうたる人々が招聘されていた。
商談スペースも兼ねた物産展では、日本全国の中小企業が軒を連ねている。タイで展開したい日本の和菓子店もあれば、日本で展開したいタイの食材店もある。タイで駐在する日本人だけでなく、タイ人にも和食人気は根強く、最近では札幌との直行便就航で北海道ブームとも言われている。
「どこか扱ってくれる店があれば、これからタイに進出したい」と、意気込む経営者も多かった。ものすごい熱気の中で名刺交換をする人々から、今、アジアを取り巻くパワーを感じたのは筆者だけではないはず。「リスクは多くても、リターンがあるところで勝負したい」――。会場はそんなエネルギーに満ちていた
ランチやディナータイムには、異業種交流会が開催された。確かに、ここに来れば世界中の“和僑”とつながることができる。だからこそ、和僑世界大会の参加希望者が4倍に膨れ上がったのだろう。
成功者のロールモデルは出るか
今回の和僑世界大会で感じたのは、国境を越えることがこんなにも容易な時代になったのか……という驚きだ。生まれ育った国と今、暮らしている国、そしてビジネスをする国が違う、という日本人は間違いなく増えていく。
「これからタイへ来ようとしている同世代に何かアドバイスをもらえないか」。そう切り出すと、実行委員の弘畠夕子さんはこんな話をしてくれた。
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