「拒食症の母」の首を絞めた25歳女性の苦悩 搾取し続けてきた毒母から逃げ出したい

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畑中さんに友達はいない。地元では孤独だ。同僚も年上ばかり。ある日、寂しくなって出会い系サイトに登録した。メッセージをもらって何人かとやり取りして、気が合った4歳年上の男性と付き合うようになった。大学卒業して2年目の社会人、初めての恋愛で、初めての恋人だった。

「付き合って2カ月くらいしたとき、母親に彼氏ができたって話しました。彼氏の学歴とか仕事とか聞かれて、母親は『その人にお金を借りて』って。消費者金融にお金を借りて返済できなくて困っているって。今すぐ電話して15万円を借りてほしいって。えっ、って思った。おかしいし、嫌だって思ったけど、でも母親の言うことは絶対。彼氏に頼みました。そのとき、初めて母親に疑問が浮かんだ。おかしいと思った」

母親からの洗脳が解け、通帳の話でいつもいがみ合いになっていたと語る畑中さん(編集部撮影)

彼氏は15万円を渡してくれた。月1万円ずつ返済する約束をした。母親に15万円の現金を渡すと、奪うようにお札を握って国道にあるATMに返済しに行った。

「借金は、相手にすごい罪悪感があった。とんでもないことをしたって。その罪悪感を消すために、相手のことを好きじゃないって思い込むようにしました。だから会う回数も減らして、『仕事忙しいからあんまり連絡返せない』って、あまり会わないようにして、お金は全部返しました。最終的には自分が本当に1カ月、2カ月ぐらい連絡一切返さないで、向こうから『別れよう』と言われた。うなずきました」

中古車を買い、風俗のアルバイト

母親に車の免許を取りたいと頼んだ。母親は渋々了承し、車の免許を取った。地元は本当に車社会で、大人の県民はほぼ全員が車で移動している。車通勤なので免許がないと仕事もできない。月2万円のお小遣いだけでは車は買えないし、何もできない。母親にダブルワークすることを伝えた。

「ローンで中古車を買って、風俗のアルバイトをすることにしました。それまで考えられない世界だったけど、土日だけとなると、本当に風俗しかない。母親には通帳とカードを返して欲しいって話もするようになって、それからはいがみ合いばかりになりました」

風俗勤めは職場や同級生にバレるのは絶対に避けたかった。毎週土曜日、車に乗って隣の県にある繁華街まで出勤した。ずっといじめられっ子で人は苦手で、異性にも縁はなかった。知らない男性と性行為するなど考えられなかったが、仕方がないと思った。

「割り切っていますけど、風俗の仕事はすごく嫌です。ツラいし、情けなくなる。母親からのマインドコントロールも解けて、“どうして私がこんなことをしなきゃならないの”って思うようになった。だから母親に風俗をしているって言いました。そうすれば、通帳とカードを返してくれると思ったけど、母親は聞いていないフリをしていました。もう、本当にダメだと思った」

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