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DeNAの筒香が日本球界に訴えた強烈な危機感 アスリートとしての思いと揺るがぬ信念

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筒香嘉智が、この1月にメディアに向けて勇気あるメッセージを発したのは単なる偶然でも思い付きでもない。

一人の野球少年が、自分の頭で野球について一生懸命に考え、判断し、そして鍛錬を続けてトッププレーヤーになる過程で心の中にしっかりと植え付けられた信念によるものなのだ。

くしくも古巣の堺ビッグボーイズは、時を同じくして筒香が理想とする野球を実践しようとしていたのだ。

筆者はいろいろなレベルの野球指導者に話を聞き、その現場を見続けているが、多くの指導者はいまだに選手に罵声を浴びせ、目の前の勝利に拘泥している。選手の健康被害も根本的な解決へ向けては進歩していない。

「遊びじゃないんだ!」

野球指導の現場でいまだによく聞かれる声だ。

いつまでも野球の現場は変わろうとしていない

また「厳しくしつけてくれ、言うことを聞かなければ手を出してくれていい」という親がたくさんいるのも現実だ。

そして甲子園、高校野球の本質も、なかなか変わろうとはしていない。

「日暮れて道遠し」である。

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筒香嘉智だけでなく堺ビッグボーイズや、彼らとともに日本野球の改革に乗り出した人たちの道のりの遠さ、困難さに思いが至る。

しかし、野球界の発展のためには、子どもたちに大人から「野球を取り戻す」試みがどうしても必要なのだ。

筒香の著書は著名なスポーツジャーナリスト、鷲田康が聞き手・取材、構成を手がけた。

鷲田も1月の筒香のメッセージを真横で聞いていた一人だ。プロ入りしてからのコーチとのやり取り、自らの感性を磨くトレーニング、興味深いエピソードもたくさん盛り込まれている。

筒香嘉智というアスリートの人生や、人柄がそのまま心に入ってくる。

わが子にスポーツをやらせようとする親や、アスリートと接する指導者、さらにはアスリート自身にも響くモノがあるはずだ。

(文中敬称略)

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