トランプ大統領がパパブッシュから得た教訓 1期4年で終わった故ブッシュ大統領の「矜持」

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素直に見れば、これは故人が実際に戦争に行った最後の大統領だったことへの敬意ではないか。同世代のジミー・カーター元大統領が、太平洋戦争時には海軍大学校の学生だったのに対し、ブッシュ氏は真珠湾攻撃に激怒し、イエール大学をやめて海軍へ志願した(退役後イエール大学を卒業)。

繰り返すが、アメリカの大統領の軍役の実績はグレートジェネレーション世代のパパブッシュが最後。一つ後のサイレント世代からは、ともにベトナム戦争の英雄だったジョン・ケリー上院議員とマケイン上院議員が大統領選に挑戦したが、ともに若い世代のジョージ・W・ブッシュ氏(べービーブーマー世代)とバラク・オバマ氏(ジェネレーションX世代)に敗北した。

大統領がどの世代の出身なのかは、その政権の政策を考える上で非常に重要である。ビル・クリントン氏、ジョージ・W・ブッシュ氏、そしてトランプ大統領は、全員が第2次世界大戦後に生まれたブーマー世代。この3人は全員がベトナム戦争の兵役を逃れている。奨学金でオックスフォード大学へ留学したクリントン氏はリベラルそのもの。

一方、息子のブッシュ氏はイラク戦争を擁護するために颯爽とジェット機で現地に降り立つ演出をしたが、同氏は理由が定かでないままベトナムの兵役を逃れている。そして日頃「自分は強い」と自慢げに発言をするトランプ大統領も、骨折を理由に兵役を逃れた。

パパブッシュはトランプ大統領にとっての反面教師

話をパパブッシュとトランプ大統領に戻すと、戦後の共和党の大統領として、再選を果たせなかったパパブッシュは、トランプ大統領にとって「反面教師」として貴重な教訓を残した人といえる。

ならばここからの株価のマネジメントにもトランプ大統領は気を付ける必要がある。

パパブッシュ時代、アメリカの株価は最初の1年は好調だった。だが「アメリカ版住専問題」などが噴き出し、景気はスローダウンした。その時、パパブッシュには予想外の敵が現れた。それはアラン・グリーンスパンFRB議長だった。

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