4日のNYダウが799ドル安になった理由 米中貿易戦争の懸念だけではなかった
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国株式市場は急反落し、主要指数が3%超下落して取引を終えた。米国債利回りの動向を受けて景気への懸念が広がったほか、貿易摩擦を巡る不安も再燃し、金融株や工業株を中心に売られた。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げ見通しに関する当局者発言や、英国の欧州連合(EU)離脱案を巡りメイ政権が逆風に直面していることも不透明感の高まりにつながった。
S&P500<.SPX>は1日として約2カ月ぶりの大幅な下落率を記録し、前週から週明け3日にかけての上昇分を一部消失させた。
小型株中心のラッセル2000指数<.RUT>は4.4%安と、約7年ぶりの大幅下落となった。
この日は米国債利回りの動向に市場の関心が集まった。米10年債利回りは9月半ば以来の水準に低下し、10年債と2年債の利回り格差は過去10年余りで最も小幅な水準に縮小。2年債と3年債の利回りは前日に続いて5年債利回りを上回り、一部の年限で逆イールド(長短逆転)となった。
過去50年の米リセッション(景気後退)の前にはいずれも2年債利回りが10年債利回りを下回る現象がみられたことから、市場では警戒感が強まっている。
債券市場の動向に特に敏感な金融株<.SPSY>が4.4%下落。
貿易摩擦の影響を受けやすい工業株<.SPLRCI>も4.4%安となり、ボーイング<BA.N>は4.9%、キャタピラー<CAT.N>は6.9%、それぞれ下落した。
ダウ輸送株20種<.DJT>は4.4%安と、2016年6月以来の大幅下落となった。
ディフェシブセクターの公益株<.SPLRCU>は0.2%高と、S&P500の主要11セクターのうち唯一、辛うじてプラス圏で引けた。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はこの日、金融市場のリスクが高まる可能性を注視する一方、向こう1年程度の段階的な追加利上げが引き続き理にかなっているとの認識を示した。
パウエルFRB議長の前週の発言を受けて投資家の間ではFRBが予想ほど積極的な利上げを行わないとの観測が出ていた。ウィリアムズ総裁の発言について市場関係者からは、FRBが一部の観測ほどハト派的にならない可能性があるとの声が聞かれた。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.24対1の比率で上回った。ナスダックでも5.96対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約90億株。直近20営業日の平均は77億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 25027.07 -799.36 -3.10 25752.56 25773.12 25008.11 <.DJI>
前営業日終値 25826.43
ナスダック総合 7158.43 -283.09 -3.80 7407.95 7421.11 7150.11 <.IXIC>
前営業日終値 7441.51
S&P総合500種 2700.06 -90.31 -3.24 2782.43 2785.93 2697.18 <.SPX>
前営業日終値 2790.37
ダウ輸送株20種 10374.07 -476.37 -4.39 <.DJT>
ダウ公共株15種 749.84 +1.28 +0.17 <.DJU>
フィラデルフィア半導体1209.35 -63.39 -4.98 <.SOX>
VIX指数 20.66 +4.22 +25.67 <.VIX>
NYSE出来高 11.91億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 21610 - 460 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物12月限 円建て 21610 - 460 大阪比 <0#NIY:>
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