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プーチンはウクライナ戦争をどう捉えているか(上)/前駐ロ大使の新刊を題材に歴史主義から考える

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2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻してから4年が過ぎた。これはロシア・ウクライナ間の局地戦争ではない。ロシア対西側連合の総力戦だ。

この戦争の構造と今後の見通しを理解するうえで、必読の本が2月に上梓された。上月豊久『プーチンの歴史認識 隠された意図を読み解く』(新潮選書)だ。

大使経験者が書く本は、大きく分けて2つに分かれる。第1は、かつての任国に過剰に同化して、プロパガンダ(宣伝)を展開しているものだ。ウクライナ大使を経験した複数の人が、この種の回想録を書いている。この種の本を読んでも情勢分析に有益な情報は得られない。第2は、かつての任国に対する嫌悪感を露骨に表明した本だ。「こんな国に生まれずに本当に幸せだった」という類いの本だ。当該国の外交・軍事政策を批判するのならばよいが、国民性、文化をののしり、日本を礼賛するような感想文を読んでも時間を無駄にするだけだと筆者は考えている。

なぜこの本を高く評価するのか

佐藤優氏によるコラム。ビジネスパーソンに真の教養をお届け。【土曜日更新】

上月氏の作品はその種の雑本とは本質的に異なる有益な情報が多々含まれ、情勢分析と未来予測をするうえでの基礎資料になる。

筆者の本を継続的に読んでいる読者の中には「あなたは『外務省に告ぐ』(新潮文庫)などで上月氏を名指しで厳しいことを書いていたが、なぜこの本を高く評価するのか」と思う人もいるかもしれないが、本はテキストのみで判断すべきと考える。過去のいきさつや個人的感情にとらわれるようでは職業作家失格だ。これは過去の出来事を水に流すという意味ではない。「それはそれ、これはこれ」と区別しているということだ。

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