利回り6%、日産自動車株は「買い」なのか

「めったにない高配当」は今後も維持できる?

高配当を維持できるかという点に関しては、仏ルノー<RENA.PA>、三菱自動車工業<7211.T>と組む「3社連合」の行方がもう1つの焦点だ。

日産の西川廣人社長は19日の会見で、ルノー、三菱自、日産のパートナーシップに何ら影響を与えないと断言した。だが、従来通りの関係性が維持されるのか、ルノーと日産が経営統合に踏み切るのか、日産がルノーから離れるのか、この先のシナリオを市場はまだ見定め切れずにいる。

SMBC日興証券・シニアクレジットアナリスト、原田賢太郎氏は「ゴーン氏が日産とルノーの取締役を解任されることで、日産とルノーの合併が一層遠ざかり、アライアンスの関係が希薄化する可能性も否定できなくなる」と分析。調達や生産、販売などへの相乗効果が従来ほど得られなくなるリスクを想定する。

これに対し、ミョウジョウ・アセット・マネジメントCEOの菊池真氏は「統合はゴーン氏の存在が前提となる話。無理に一緒になっても互いにいいことはない」と指摘。「日産も単独での生き残りは難しい。今の資本関係を維持するのが自然の流れだろう」との見方を示している。

「大競争時代」に求められる強いリーダー

アライアンスの維持が焦点になるのは、この先の自動車業界が厳しい競争に直面するからだ。

世界の自動車株におけるPER(株価収益率)の平均水準は7倍。全体平均からみれば、かなり低いレベルだ。これは「次世代自動車や自動運転時代において、どのような勢力図になるか不透明感が強過ぎて投資できない」(外資系証券ファンドマネジャー)からにほかならない。

日産自の再建を率いてきたゴーン氏だが、最近は、執行業務などは社長以下に任せていたとみられ、オペレーション上の影響は小さいとされる。しかし、アライアンスにおいては、重要な役割を担っていた。

将来的に自動車がコモディティー化していけば、ハイテク企業など自動車メーカー以外とも競争することになるのは必至。この「大競争時代」を生き延びるには、アライアンスをまとめあげる強力なリーダーシップが欠かせない。

毀誉褒貶(きよほうへん)の激しいゴーン氏だが、強力なリーダーであったことは確かだ。販売台数世界2位のグループを率いる新たなリーダーが強い求心力でアライアンスをけん引できるのか、その点を市場も注目している。

 

(長田善行 杉山健太郎 編集:伊賀大記)

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