本物のお金持ちは普段何を食べているのか プチ贅沢ばかりの「偽セレブ」は本物じゃない

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また、中華系の富裕層のバーベキューに招かれたときのことです。参加者のほとんどは中華系、もしくはインドネシア系だったのですが、宗教上のこともあって、お肉は定番の牛肉ではなく全部串刺しのチキン、あとは大量の野菜でした。また、外国人のパーティの場合、完全にDIYのケースも多く、ホストが飲み物を注いでくれるわけではないので、自分からお酒や飲み物を探しに行かないとのどがカラカラになって干からびそうになります。遠慮していてはいけないようです。

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もちろん、人によってはパーティのためのスタッフを雇っていて、日本人以上にきめ細やかに振る舞ってくれることもあります。しかし、気配りの水準は日本人のほうがはるかに優っています。お金持ちの中には、人をたくさん呼んだパーティの際には奮発をした料理を振る舞ってくれる人もいますが、普段はいたって質素な夕食をしている場合が多いのです。

彼らはメードを使って、市場に安い食材を買いに行かせて、安い労働力で食事を作らせて食費をしっかりと締めています。

私は以前、節約レシピを料理研究家の先生と一緒に、1日500円以内(1人分)でいかに栄養がある料理を作れるかにチャレンジしたことがありますが、質素な富裕層の食卓を見ていると、1食4人分程度で1000円もかけていない印象です。シンガポールでメードを使っていた日本人が帰国すると、食費が上がって仕方がないという声をよく聞きます。日本だと高級スーパーや宅配サービス、デパ地下のお惣菜など、高くつくからでしょう。また、彼らはお酒が飲めても、日本人のように毎日晩酌をする習慣はあまりないようです。

「貧乏芸人」の食事のほうが、普段はよほど豪華

私はテレビの仕事で、月収10万円前後の「貧乏芸人」さんのご自宅を拝見したことがあります。そこで見た食事は、私が遊びに行ったシンガポールの富裕層のものよりよほど豪華だった気がします。「家計に余裕がない」と言いつつも、冷蔵庫の中に飲み物やお菓子などの嗜好品やドレッシング類がたくさん入っていたからです。シンガポールの富裕層のお宅では、ドレッシングはその都度メードに手作りさせていました。安く作れるうえに、添加物などが入っていませんから、体にはいいでしょう。こうして「食を慎む」のは、健康管理の面を意識してのことでもありそうです。

しかし、普段は質素にしつつも、資産運用などでは本当にしっかり使っています。だからこそ、ますます資産を増やしていけるのかもしれません。飲食は毎日の習慣です。いくらお金があっても普段から散財していては、本当の富裕層であり続けられないのだと教えられました。

花輪 陽子 ファイナンシャルプランナー

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はなわ ようこ / Yoko Hanawa

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、東京とシンガポールでセミナー講師など幅広い活動を行う。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書) 、『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。花輪陽子オフィシャルサイト 海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトも運営。まぐまぐ「花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編」も。

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