インドの「危ない大気汚染」が放置されるワケ

まるでガス室のような状態

 11月6日、インドの首都ニューデリーの大気汚染が急速に深刻化している。写真は、大気汚染が肺に与える害を訴える模型の前を通り過ぎる市民たち。同市の病院前で5日撮影(2018年 ロイター/Anushree Fadnavis)

[ニューデリー 6日 ロイター] - インドの首都ニューデリーの大気汚染が急速に深刻化している。健康に被害を及ぼす水準にまで達しているが、人であふれかえる同市の住民たちが汚染から身を守る対策を取っている様子はほとんど見られない。

危険な微小粒子状物質「PM2.5」の濃度レベルは5日、推奨値の24倍に達した。その後数日でさらなる悪化が予想された。中国の多くの都市では、大気汚染レベルが急上昇すると人々がマスクを着用する姿は一般的な光景だが、ここでは汚染対策を講じる人を目にすることは珍しい。

誰ひとり汚染から身を守ろうとせず

汚染された空気の中で、きれいにアイロンがけされた制服を着た子どもたちがスクールバスを待っている。警備員や街路の清掃人や輪タク運転手も、外でそうした空気を吸いながら何時間も過ごしている。だが誰ひとり、汚染から身を守ろうとはしていない。

中間層の住民たちに自宅に空気清浄機があるかと尋ねると、皆「ノー」と答える。

地元メディアが、特に子どもや病人、高齢者に対する深刻な健康被害についての医師の警告を取り上げるなど、ニューデリーの汚染危機について大々的に報じているにもかかわらず、だ。

無知や無関心、あるいは貧困から、人々が明らかに有害な大気に関心を抱いていないことは、連邦政府や地元の政治家に、自分たちがこの問題に精力的に取り組んでいないことの「隠れみの」を与えていると、環境活動家や社会科学者、政治専門家は指摘する。

国政与党のインド人民党(BJP)も主要野党の国民会議派も、首都ニューデリーでは実権を握っておらず、市当局と協力するインセンティブはほとんどない。

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