「引くに引けない」三菱重工、MRJに追加支援 宮永社長は「これで最後」と強調したが…

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今回の増資で、三菱航空機への三菱重工の出資比率は64%から86.7%まで高まる。宮永俊一社長は「成長し続けるためには新しいことに資本を投下しなければならない。小型航空機は次の主力になる。コアビジネスとして育成していく責任が今の経営者にある」と従来からの主張を繰り返した。

「これで財政支援は最後か」と問われると、「この範囲内で終わらせる。(座席数が90席タイプの)MJ-90の開発・納入・量産までは(財政基盤を)作り上げた」と、初納入の2020年央までに追加支援は不要であるという見通しを示した。

訴訟については多くを語らず

三菱航空機はカナダの小型旅客機メーカー、ボンバルディアから訴訟を起こされている。ボンバルディアは、三菱航空機が人材の引き抜き(ヘッドハンティング)を通じて、機密情報を不正流用したと主張。米シアトルの連邦地裁に10月21日までに提訴している。

三菱航空機への財政支援を発表後、記者団に囲まれる宮永俊一社長(撮影:尾形文繁)

宮永社長は「訴訟になっているのでコメントできないが、三菱航空機から『過失がない』という報告を受けている。われわれもそれなりのチェックをしたうえで、三菱航空機を支援しようということで公表している」と語った。

世界的には、成長分野と目される小型旅客機での競争が激化している。大型旅客機2強のエアバスとボーイングは小型機会社を次々と傘下に収めた。エアバスはボンバルディアの小型機開発会社、ボーイングはブラジルのエンブラエルの小型機製造会社をそれぞれ子会社化している。

そうした中での提訴に、宮内社長は「訴訟については一切答えられないが、われわれの出来る範囲できちんとやることだと思う」と述べるにとどまった。

これまで約6000億円の開発費を投じてきたMRJ。今回さらなる資金を投じる三菱重工にとって、もはや引くに引けない戦いだ。三菱航空機が勝ち名乗りを上げられるのか。道筋はまだ見えていない。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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