日経平均反発、260円超安から上昇したワケ 投資家は弱気に傾きつつあったが株価は反転
[東京 22日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反発した。外部環境の不透明感を嫌気した売りが先行し、朝方は一時260円まで下げ幅を拡大した。だが中国市場では政府による景気支援や市場安定化への取り組みなど政策期待が広がり、上海総合指数<.SSEC>が4%を超す急伸となった。これを支えに日本株は持ち直し、後場にプラスに転じた。
TOPIXも3日ぶりに反発。セクター別では鉱業、食料品、水産・農林が上昇率上位にランクイン。石油・石炭と医薬品、精密機器がさえない。東証1部の売買代金は2兆1009億円と商いは低調だった。
トランプ米大統領は中間所得層を対象にした減税を検討していることを明らかにした一方、米国が旧ソ連との間で結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約から離脱するとも表明。地政学リスクの高まりが警戒された。ただ日経平均が2万2200円台後半まで下落すると、押し目買いが入った。さらに上海株の上昇を受け買い戻しの流れが加速。日中の値幅は400円と荒い展開となった。
市場では「投資家が弱気に傾きつつあったなか、中国株の上昇に連動する形でアルゴリズムが動いた印象。日経平均の予想PER(株価収益率)は朝方に瞬間的に13倍を割ったとみられるが、改めてPER13倍が『岩盤』の水準ということも意識させた」(エース経済研究所・取締役市場分析グループストラテジストの西尾宣博氏)との声が聞かれた。
個別銘柄では川崎重工業<7012.T>が大幅安。同社は19日、2019年3月期の連結業績予想を下方修正したと発表し、嫌気された。北米向けの車両事業で損失が発生。ボーイング<BA.N>の航空機「787」用エンジンのトラブルに伴う費用負担も響く。通期の純利益予想は従来の470億円から310億円(前年比7.2%増)に見直した。
半面、石川製作所<6208.T>や豊和工業<6203.T>、東京計器<7721.T>がしっかり。トランプ米大統領のINF廃棄条約離脱表明で地政学リスクの高まりが警戒される中、防衛関連銘柄に思惑買いが入った。
東証1部の騰落数は、値上がり1216銘柄に対し、値下がりが792銘柄、変わらずが100銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 22614.82 +82.74
寄り付き 22374.21
安値/高値 22271.59─22672.25
TOPIX<.TOPX>
終値 1695.31+2.46
寄り付き 1680.61
安値/高値 1674.39─1700.26
東証出来高(万株) 113506
東証売買代金(億円) 21009.14
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