知らずに増えた移民外国人の不都合な真実 もはや彼ら抜きに経済は回らないが課題も
政府の方針をわかりやすくいえば、「移民は断じて認めないが、外国人が日本に住んで働くのはOK、むしろ積極的に人手不足を補っていきたい」ということだ。
留学生や実習生ではもう不足が補えず、いよいよ正面から外国人労働者の受け入れを決めたということだろう。しかし、ここに至るまでに十分な議論がなされたようには思えない。
とりあえず10月下旬からの臨時国会には注目だが、消費税率が3%→5%→8%、そして10%と段階的に高まってきたように、外国人労働者の受け入れ枠も(なんとなく)知らないうちに増えていくのかもしれない。
留学生が労働力不足を補う現状
本を書くにあたって、多くの“コンビニ外国人”に取材をした。そのほとんどが日本語学校か専門学校に通う留学生だった。
彼らは、「原則的に週28時間まで」のアルバイトが法的に許されている。「原則的に」というのは、夏休み期間などは週40時間のアルバイトが認められるためだ。学生がより長く働けるように長期休暇が多いことをウリにしている日本語学校もある。
週に28時間では時給1000円で計算しても月収は11万円ほどにしかならないが、世界的に見るとこの制度はかなり緩い。たとえばアメリカやカナダなどは、学生ビザでは原則的にアルバイト不可、見つかれば逮捕される。
つまり、コンビニなどでアルバイトをしている留学生は、学生であると同時に、合法的な労働者でもあるのだ。彼らも仕事を求めているし、現場からは労働力として期待されている。需要と供給を一致させているのは、日本の人口減に伴う深刻な人手不足だろう。実際、留学生の9割以上が何らかのアルバイトに携わっている。
いま日本は「留学ビザで(割と簡単に)入国して働ける国」として世界に認識されている。しかし、ここに大きな問題がある。
日本語学校などに籍をおく留学生の多くは、入学金や授業料、現地のブローカー(エージェント)への手数料などで100万~150万円という金額を前払いする必要があり、その多くが借金を背負って来日しているのだ。
借金を返済するためには働く必要がある。だが、原則28時間という労働時間を守っていたのでは、生活費を賄うのがやっと。中には強制送還覚悟で法律を破って28時間以上働く留学生もいるし、借金を背負ったまま帰国する留学生も少なくない。
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