BMW「i3」が示す"本当のエコカー" ドイツの高級車メーカーが電気自動車に参入
「i3」と同時に発表されたのが、切れ長のデザインが特徴的な、プラグインハイブリッドのスポーツカー「i8」だ。「特別な車を運転したい、という人のために用意した」(ハリス氏)というこの車の価格は1917万円。日本では2014年夏以降に投入される予定だ。
ドイツ本社のライトフォーファー会長は「将来、プレミアムの定義に『サステナビリティ』という要素が含まれるようになる」と見ている。
「プロジェクトi」は2007年に「持続可能(サステナブル)なモビリティを考える」という目的のもと組織された、いわばBMWのシンクタンクだ。ここで考案されたアイデアを技術や製品に落とし込み、BMWのさまざまなブランドに適用していく。その最初の成果が今回の「i3」となる。
原材料から「エコ」にこだわる
プロジェクトiの取り組みとしてBMWがとりわけ強調するのが、原材料や生産工程から運転に至るまで、「エコ」に徹底的にこだわったバリューチェーンの構築だ。
CFRPの製造は、原料が三菱レイヨンの広島工場から送られ、米国ワシントン州にある炭素繊維メーカーとBMWの合弁工場で生産される。この製造工程の電力は100%を水力発電でまかなっているという。
CFRP部品の生産と車体の組み立てを行うBMWの独ライプツィヒ工場は、その工程全てを風力発電による電力を利用している。ボディの製造工程では、従来ボルトやリベット、溶接で固定していた部分を、すべて接着にした。加えて熱処理で硬化を早めることで作業時間、消費エネルギーを大幅に軽減した。
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