日経平均915円安、さらなる下落はあるのか

ヘッジファンドの破たんなどにも注意が必要

 10月11日、日経平均が一時1000円安となった。米金利の上昇で割高感が意識された米国のグロース銘柄への投げが止まらず、米ダウ<.DJI>が急落。トランプ米大統領による米利上げけん制発言や安川電機の業績予想の下方修正も不安心理を増幅させた。写真は東京証券取引所で撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 11日 ロイター] - 日経平均<.N225>が一時1000円安となった。米金利の上昇で割高感が意識された米国のグロース銘柄への投げが止まらず、米ダウ<.DJI>が急落。トランプ米大統領による米利上げけん制発言や安川電機<6506.T>の業績予想の下方修正も不安心理を増幅させた。ファンダメンタルズを拠りどころとした日本株の上昇期待に逆風が吹きつけた形となり、さらなる株安に備える動きも出ている。

流動性枯渇が一因か

「マグマがいつ噴出してもおかしくはなかった」。野村証券のクオンツ・ストラテジストの高田将成氏は、10日のダウ急落の契機として、ハイテク・IT関連など成長期待の高いグロース系銘柄に積みあがったロング・ポジションの巻き戻しを挙げる。グロース系銘柄から、バリュエーションの低いバリュー銘柄への資金シフトが粛々と進んでいた中、この日に「駆け込み的な」グロースの投げが出たという。

一般的に低金利環境下の株式市場では、投資家の資金はグロース銘柄に流入する傾向がある。だが、10年米国債利回りUS10YT=RR>は9日に一時3.26%台まで上昇。米国のインフレ懸念が高まる中、グロース銘柄に流入した資金が逆回転を起こしつつあった。

10日のグロース株の急落は全体相場に波及し、ボラティリティーが上昇。リスク・パリティー系ファンドやCTA(商品投資顧問業者)の機械的な売りにつながったとみられている。

野村証の高田氏は「類似の事例は2007年の『パリバショック』。当時もファクター間の変動がマーケットの流動性枯渇につながった。一部ヘッジファンドの破綻の可能性も否定できず、調整が長引くリスクもある」とみる。

また、この日はトランプ米大統領が利上げを続ける米連邦準備理事会(FRB)に対し、「異常」だと発言。改めて中央銀行の政策を批判したことも、米国株の急落を目の当たりにした投資家の不安心理を強めた。

中央銀行の独立性が脅かされ、実体経済に対し利上げが遅れる「ビハインド・ザ・カーブ」の状況となれば、米金利がさらに上昇し、株価の調整が深まるリスクが高まる。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は「余計な財政出動など大統領自らがまいた種で景気が拡大し、インフレ懸念が強まり米金利の上昇につながった。景気がスローダウンした時の責任を全てFRBに押し付けしようとしているのはトルコと同じ」と話す。

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