「杉田水脈擁護」のドグマが蔓延する深刻理由 常識の欠如に無自覚な人たちが増えている
ただ、ともすると多くの人が似たようなものかもしれない。筆者の身近には、「働き方改革」と世間でいわれているのにもかかわらず、「毎日20時以降はサービス残業にするのが組織全体の習慣として根付いている」という人々も存在する。
当人に聞くと「まわりの人たちがみんなやっているから」「うちの業界ではそれが当たり前だから」と、世間とのズレを認知しているにもかかわらず、その「小部屋」から出ようとはしない。さらに「残業が多いと評価が下がるから、サービス残業する方がいい」と言い、強固な残業信仰を手放そうとしない。
その他にも、本当は自己顕示欲を満たしたい上司が、「部下の成長のため」と表して「部下育成」という名の下で行われるパワハラや、無償奉仕前提にもかかわらず毎日学校へ行かざるを得ない過重労働のPTAなど、挙げたらきりがない。
このように「小部屋」に入る前はおかしいと思っていたのに、いざ入ってしまうと同調圧力に押され、気が付くと周囲と共に同じ行動をとってしまう自分に出会うことがないだろうか。
総裁選の結果に世間とのズレはないか
9月20日に実施された自由民主党総裁選挙における安倍晋三首相、石破茂元自民党幹事長の支持比率は、議員票82:18と党員票55:45となり、議員の支持と党員の支持との間に大きな差が見られた。この結果を見て「議員感覚」と「自民党員の感覚」(=世間に近い)との間に大きなズレを感じた読者も多いのではないだろうか。
安倍首相を支持した議員たちは、その道を信じてきたので安易には変えられないし、今さら引き返せない。そして同じ境遇の議員たちと安倍首相支持を共有することで、信仰にも似たより強固な支持となっているのではないだろうか。
自民党議員の皆さんに、今回の結果を踏まえ、世間(正確には自民党員)とのズレが生じているかもしれないことを認知してほしい。自らとの認知的不協和を恐れず、「小部屋」の扉を開けて「世間の空気」を吸ってほしいと願うばかりだ。
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