景気急減速で状況一変! 就職戦線大予測2010

景気急減速で状況一変! 就職戦線大予測2010

バブル期を超える求人数となった2009年春卒業生の就職戦線。昨年からの原油高やサブプライムローン問題といった環境の変化にもかかわらず、企業の採用意欲は旺盛で、大手企業は前年同様、5月の連休前に内定ピークを超え、6月末にほぼ決着した。「売り手市場」といわれながらも、大半の大手企業は採用予定数を確保した。

そして10月上旬、世界的な金融危機が起こっている最中、10年卒の採用活動が始まった。景気や経営環境の先行きは不透明だが、本誌は昨年に引き続き、文化放送キャリアパートナーズと共同で10月に主要企業にアンケートを実施。内定状況、採用における新たな取り組み、採用計画や課題など219社から回答を得た。その結果を分析しながら10年の就職戦線を展望する。

【1.全体の流れ】 採用数は前年並みだが一段と厳選採用が進む

まず、09年採用の結果を見ると、ほぼ採用計画どおり」「採用計画数より多い」という採用成功組企業が87%、「採用計画数よりやや少ない」「採用計画数を大幅に下回る」は計13%となった。アンケート対象企業は大手企業がほとんどとはいえ、この充足率は極めて高い。


 リクルートワークス研究所の調査を見ると、09年卒の求人件数94・8万人の内訳は、従業員1000人未満企業の求人数が73・9万人、1000人以上企業の求人数は20・9万人。業種別の求人倍率で見ると流通業が7・15倍、学生に人気のある金融業はわずか0・35倍だった。つまり不人気の中小企業や流通業の求人が圧倒的に多く、それら企業は、計画どおりに採用できなかったのが実態だ。だから「これまでになく優秀な人材を採用できたが、優秀学生は内定を多く持っていたので、第一志望にさせるのに苦労した」(大手総合商社)という企業と、「年末までのエントリー数は多かったが、実際に説明会や面接に来た学生は年々減少している」(中堅機械メーカー)の二極化が見られた。

企業の来年度採用計画はどうか。さすがに「減少」の方針を出した企業が09年採用よりも多い。しかし、6割強の企業が「前年並み」としているのは心強い。気になるのは、「未定」とする企業の中に、「今年は採用増にするか未定だったが、来年は採用減にするかを検討中」(電子機器)という回答もかなりあることだ。「未定」数字の読み方として留意しておきたい。


 採用の質については、求人倍率は下がり、「買い手市場」に転ずるという回答が急増しているが、優秀な人材が採用しやすくなるというわけではない。「学生数が年々減少していく環境で、優秀な人材の獲得競争は年々激化していくのでは」(不動産)、「不況下では質的な面で企業の求める水準が高くなり、学生にとって厳しい選考になる」(化学)との指摘がある。採用減と回答した企業には、「人材の質の低下」ということで採用数より採用の質にこだわる企業もあった。買い手市場が復活し、優秀な人材へのこだわりが一段と強くなる見込みなのである。


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