トヨタ「アクア」が抱える意外と悩ましい事情 異例のロングセラーで乗り換え勧めにくい
トヨタ自動車のコンパクトハイブリッドカー「アクア」が、微妙な立ち位置にいる。
日本自動車販売協会連合会(自販連)によると、今年1~9月にアクアは約9万6900台(月平均約1万0760台)を売り、乗用車ブランド通称名別新車販売ランキング(軽自動車除く)で、日産自動車「ノート」(約10万8800台、月平均約1万2090台)に次ぐ2位につけている。
販売は好調そのものだが…
アクアは今年4月に一部改良を施し、特別仕様車も新たに設定。これを受けて乗用車ブランド通称名別新車販売ランキングで、今年4~7月は単独トップに立った。高級車ブランド「レクサス」を除くトヨタの国内販売店4系列(トヨタ店、カローラ店、トヨペット店、ネッツ店)すべてで取り扱うという販売ネットワークの強さを生かして、販売は好調の一言に尽きる。
一方、日産は年度(4~3月)ベースでは1968年度に「ブルーバード」でトップを飾ったことがあるが、暦年ベースは過去に例がない。日産はノートの拡販によって、悲願ともいえ、歴史に残る暦年1位の座を獲得したいに違いない。
2018年も残り3カ月でその差は約1万1960台。アクアがノートを月平均で4000台ずつ上回らなければ勝てない。ノートがよほど失速するか、アクアが飛躍的に販売を伸ばすかしか可能性がないが、日産の悲願を阻む可能性があるとしたら、アクアだけと言っていい。4代目「プリウス」は3代目ほどの勢いがないからだ。
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