夢の田舎暮らしにつきまとう「耳を疑う」現実 ムラ意識の強く残る地方で嫌われない条件

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しかも最近は公営住宅とはいえ、最新の戸建て住宅並みに設備が充実したものが多いのだとか。たとえば長野県でも川上村など高原野菜での富裕層が多かったり、地域内にダムなどを抱え、固定資産税などの財源に恵まれた自治体は、公営住宅にも立派なものが多かったりするそうなのである。

収入によって変動するものの、物件ごとに上限があるのが公営住宅の賃貸料。仮に上限を払ったとしても、都会では想像もできないほど設備が充実し、そして広い格安物件を見つけやすいという。

したがって、集落移住をしたいのであれば、まずはそうした公営住宅に入居し、そこに住みながら、周囲を見極めていくことが成功への最短距離だと著者は主張するのだ。

挨拶の菓子折りを配る順序がすべて?

集落移住をする際には、「最初の挨拶の順序」がとにかく決定的なのだと著者は強調している。たとえば、自宅にもっとも近いからということで「下の者」から挨拶している姿を、集落有力者に見られたら大変なことになるというのである。

彼らは見ていなさそうで、こちらの一挙手一投足をじっと見ていることを忘れてはならない。あっちの家に先に行って、こっちはあとか……。そう思われたが最後である。
都会人は風光明媚な場所では人間も寛容だと思いがちだが、田舎の価値観は都会ほど多様ではなく、むしろ狭く限定的である。(245ページより)

とはいっても、移住してきてすぐに、集落の序列や、挨拶すべき順序を知ることは困難である。そこで、もしもその土地に先行した移住者がいれば、まずは彼らに訊ねることを著者は勧めている。あるいは区長などは、長老と若手を結ぶ、中間管理職のような立場として上にも下にも目配りしているので、そうした風習や因習まで教えてもらえるかもしれないという。

ただし、それは同時に、こちらがなにを訊ねたのかまでもが、長老から青年部の若手にまで筒抜けになることをも意味するそうだ。大げさなように聞こえなくもないが、「田舎暮らしとは、そうしたプライベートも情報も筒抜けのムラ一家に住まうことにほかならない」と著者は主張するのである。

テレビの田舎暮らし番組が映し出すのは、日本全国どこもかしこもまるで桃源郷ばりの話ばかり。そんな実態がどこにあろうか、という思いを募らせている移住者は決して少なくないだろう。だがいまさら都会生活に戻る気にはならない。戻りたくない、と思える移住者は絶望することはない。別荘地という選択肢がある。(194ページより)
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