コジマ、「郊外での競争」を生き抜く独自戦略 「ミニ四駆」大会から酒販売まで集客力を磨く

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コジマの店舗で行われるミニ四駆大会。子どもだけでなく大人の見物客が目立つ(記者撮影)

ミニ四駆大会では、北海道から沖縄まで各地のコジマの店舗で行われる地区予選から全国大会へ勝ち進むトーナメントが行われる。全国大会が始まって今年で3年目。地区予選の試合でも最大70名がエントリーし、数百名の観衆が集うときもある。子どもだけでなく、子どもの時にミニ四駆を楽しんだ大人も参加。店舗内ではミニ四駆のパーツも売られており、大会開催中はピットインコーナーが設置され、店舗内でミニ四駆の「整備」を行うこともできる。

ミニ四駆の製造・販売を手掛ける可動模型大手のタミヤも協力。各大会でMC(司会)を務めるコジマの大浦哲営業企画室課長はタミヤの公式MC、ガッツさんから「MCコジ丸」と命名されるなど本家からのお墨付きをもらっている。ミニ四駆を走らせるための常設コースを設置する店舗も多数あり、「ミニ四駆を走らせるためにコジマに来た」という客もいる。

”完全復活”は目前

「ようやく実力を持続的に発揮できるようになった」(荒川氏)。ビック傘下に入って6年、2018年8月期は3期連続で2ケタ以上の営業増益となったもよう。9月から始まった新年度では、長らくマイナスだった利益剰余金もプラスに転じ、復配する見込みだ。

業界では家電販売が頭打ちとされ、ヤマダ電機やエディオンなどの大手は住宅事業に裾野を広げ、新たな活路を見だそうとしている。

コジマもお酒や玩具、日用品など非家電商品を拡充するが、あくまで主役は家電販売。競争の厳しい郊外店の中で、「コジマに行こう」というきっかけ作りを大事にする。体験イベントもその一環だ。「店舗の品ぞろえの幅を広げ、客足を根付かせて、消費増税など落ち込むときの影響を緩和したい」(塚本氏)という狙いもある。

完全復活に王手をかけたコジマ。都市部のビックと郊外のコジマというシナジーが続いていくのか。今後もその独自戦略に注目が集まりそうだ。

劉 彦甫 東洋経済 記者

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りゅう いぇんふ / Yenfu LIU

解説部記者。台湾・中台関係を中心に国際政治やマクロ経済が専門。1994年台湾台北市生まれ、客家系。長崎県立佐世保南高校、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、修士(ジャーナリズム)。日本の台湾認識・言説を研究している。日本台湾教育支援研究者ネットワーク(SNET台湾)特別研究員。ピアノや旅行、映画・アニメが好き。

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