日本フットサル界の未来を背負う21歳の決断 清水和也がスペイン移籍で求めた希望
そんな期待をよそに、年々成長し、日本を代表する選手になった清水だが、実は、これまでに1度、Fリーグのシーズンオフ期間を利用して、スペインに渡ったことがある。
プリメーラ・ディビシオンに所属するチームに練習参加し、世界のトップレベルを肌で感じるとともに、自分の存在をアピールしながら、スペインへの憧憬を深めていた。
そんな清水が、今回移籍を決断したきっかけは何だったのだろうか。
移籍を後押しした世界との距離感
自分の成長が所属するチームの成長、そして日本フットサル界の成長につながると自覚する清水にとって、大きな転機となったのは2018年2月に台北で行われたフットサルアジア選手権だった。日本代表の一員として優勝を目指して挑んだ大会の決勝戦で、圧倒的な攻撃力で世界トップクラスの実力を持つイランに0-4での敗北を喫する。善戦するも力負けしたと認めざるをえない結果に対し、清水はこう感じた。
「アジア選手権でイランに負けて、外国人の選手と常日頃から切磋琢磨して、自分のレベルを上げたいという思いが芽生えました」
肌で感じた世界との差。
今のままではまだ乗り越えられない何かがあることを知った経験が、今回のスペインリーグ移籍という大きな決断を後押ししたのだ。
もはや、清水和也にとって5シーズン目に突入し、当たり前の環境になりつつあったFリーグという舞台は、背伸びをするには、少々窮屈になってしまったのかもしれない。
思い返せば、筆者が初めて19歳の清水和也と会った時、そのあどけない表情とはあまりにもミスマッチなくらい真剣なまなざしで「世界の舞台で、日本を勝利に導く存在になりたい」と語っていた。
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