日本フットサル界の未来を背負う21歳の決断

清水和也がスペイン移籍で求めた希望

「ディフェンス面で圧倒的な違いがあります。日本では、ピンチのとき、失点しないようにピッチの外にボールを蹴り出すようなシーンが数多くあります。

一方、スペインリーグの選手たちは、ボールを奪取して、ゴールを奪うために守備をしているように感じます」

中央が高橋監督(写真:長谷川雅治/アジアサッカー研究所)

攻撃しているはずなのに、“ボールを奪われて失点してしまうのではないか”と脅威を感じることもあったそうだ。

「僕がプレーしていた頃に比べれば、今は少しずつ差が縮まってきてはいますが、フットサルが文化として根付いているスペインと、発展途上の日本を比べると、まだまだ違いは色濃く残っているように思います」

そんなフットサルの本場、スペインの中でも、清水が移籍するエルポソ・ムルシアFS(以下、エルポソ)は、FCバルセロナ、インテル・モビスターと肩を並べるフットサル3大クラブの1つといわれる。

今回、清水は、期限付きでのレンタル移籍、そしてBチームからのスタートという形ではあるが、エルポソからオファーを受ける形でスペインに渡った。これまでも、前述の高橋健介氏をはじめ、何人かの日本人フットサル選手がスペインリーグに挑戦したが、オファーを受けて移籍するケースは非常に数少ない。

しかも、エルポソというビッグクラブからのオファーだというのだから、一部のフットサル関係者にとっては、大きな驚きだったはずだ。

若きフットボーラーが抱いたスペインへの憧憬

小学生の頃から本格的にフットサルを始めた清水は、選手として成長していくために、少しずつ背伸びができる環境を求めて行動してきた。もともと上昇志向が強く、野心的な若者だった清水は、高校2年生の時に、フウガドールすみだのサテライトチームに加入し、自分より体格に勝る大人と真剣勝負ができる環境に飛び込んだ。

すぐさま頭角を現した清水は2014年の9月に、高校3年生ながら、早くもFリーグデビューを飾る。さらにこの年の11月には、絶対王者である名古屋オーシャンズを相手に、ハットトリックをあげる衝撃のパフォーマンスを披露するなど、シーズン通算16試合で9得点をあげる活躍を見せた。

続く翌シーズンも年間19得点をあげ、その頃から日本代表にも継続的に招集されていくようになる。こうして誕生したフットサル界のニューヒーローに、関係者たちの多くは、低迷する日本フットサル界の未来を担う存在として、大きな希望を抱いた。

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