高須院長「医者の子どもは医者に向いている」

「僕も裏口入学」とツイートした真意とは?

――医学部人気が過熱し、合格するために必要な偏差値が私立医学部でもかなり高くなってきています。

私は愛知県の進学校である東海高校の出身ですが、成績が良ければ高校の先生も予備校の先生も医学部進学を勧めるという現在は、私には異常に見えます。

――医学部人気の背景には「医者になればもうかる」という強いイメージがあります。

もうけている医者も確かにいます。かつて産科の医者がやたら多かったのはもうかったからでしょう。しかし、今は斜陽化しています。お産自体が激減したからです。

美容外科はこれからそんなにもうかりません。若くて派手な印象の女性医者が「高須クリニックで働きたい」と言ってきても、「一人前になったら雇ってあげます」と言って断っています。

「美容外科はデザートだ」と私はよく言います。つまり、主食ではないので、「なくてはならないもの」ではないのです。高成長期に伸びる診療科で、高度成長期の頃に始めた私はタイミングが良かった。韓国で美容外科が伸びたのも韓国経済の高成長が背景です。

美容外科が伸びるのは高成長期のみ

――高須さんはなぜ美容外科を選んだのですか。

卒業当時、「医学が進歩すれば病気は根絶する。美容外科は主流の診療科になる」と思ったからです。親戚の医者が「かっちゃん(高須院長のこと)に説教してやる」と家に来た。「美容外科医になるなら、今後何があってもかばわない。縁を切る。病気でもない人を切るのは犯罪だぞ」とまで言われた。

高須克弥(たかす・かつや)/1945年生まれ。1969年昭和大学医学部卒業。1973年同大大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。「脂肪吸引手術」を日本に紹介し普及させた。江戸時代から続く医師の家系(撮影:今井康一)

実際、結核で死ぬ人はほとんどいなくなった。ところが、高齢化が進み、病気はなくなるどころか減ることがない。「親戚の医者が言っていたことはそのとおりだな」と最近では思うようになりました。「二重まぶたや豊胸を一生懸命、学生に教えるべきではない。教えてもいい医者が育成できそうもない」と思い、昭和医大に開設してもらっていた美容外科の寄付講座もやめました。被災した皮膚の美容外科手術などは精力的に行っていますが、美容のためだけの手術は断るケースも珍しくありません。

――メスで切らずに二重まぶたを作る「プチ整形」など、高須さんは常に美容外科の潜在需要を掘り起こしてきました。まだ掘り起こしていない潜在需要はありそうですか。

豊胸のためにヒアルロン酸をバストに注射したのは私が世界で最初。シワを改善するボトックス注射は高須クリニックしか行っていない独占状態が長く続きました。しかしブームは自ら作ろうとしてできるものでもありません。プチ整形は最初「バーチャル整形」と言っていましたがさっぱりでした。それで「インスタント整形」に名前を変えたのですがそれでもダメ。プチ整形にしたらとたんに需要が増えました。

――これから需要の増える診療科、衰退する診療科はどこでしょうか。

人口が減少しますからすべての診療科が衰退します。そのなかで、もうかる医者ともうからない医者にはっきり分かれるでしょう。食うに困る美容外科が出てきます。結核患者用のサナトリウムが今ほとんどないのと同じです。

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