社長解任のJPHD、保育園大手が直面する難題

保育士・金融筋…動揺するステークホルダー

JPホールディングス傘下の日本保育サービスが運営する保育園「アスク」。経営の混乱が続き、現場への影響も懸念されている(記者撮影)

民間保育園最大手のJPホールディングス。創業者と社長が異例ともいえる過激なプロクシーファイト(委任状争奪戦)を繰り広げた末、突如登場したファンド、マザーケアジャパンの手に落ちるという結果となった。創業者側と社長側が互いのパワハラ、セクハラといった醜態を“暴露”し合う様は、あきれるほどだった。

6月の株主総会では、会社側が提案した8名の取締役候補のうち、荻田和宏社長を含め6人の再任が否決される異例の事態に発展。マザーケアジャパンが主導して新経営陣が発足したが、顧客や現場の保育士、金融機関などステークホルダーからの信頼を取り戻すことは容易ではない。

そのJPホールディングスの新経営陣が8月10日、東京都内で第1四半期決算と長期ビジョンの発表を行った。前経営陣から残留した古川浩一郎新社長、そしてマザーケアジャパン代表から今回取締役に就任した坂井徹氏らが同席した。

第1四半期から異例の赤字

この2019年3月期の第1四半期は、営業損益が1億3800万円の赤字(前年同期は2億3600万円の黒字)となった。第1四半期からの赤字転落はかつてないことである。

営業損益の赤字転落について、「保育士の採用強化により求人費用が増加したことに加え、4月、5月において各施設への保育士の配置が児童の受け入れ時期よりも先行し、投入人員に見合った稼働率を上げることが出来ず――」(決算短信)と説明している。

ただ、保育士の採用競争が激しく採用コストがかかるのは今に始まったことではない。保育士の配置が子どもの受け入れ時期より先行するのも、事前の訓練・教育の必要性から当然であり、例年行われていることである。

次ページ赤字転落の本当の要因は?
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